船のキッチンまで案内されると、仲間の紹介をされた。コックに船医もいて案外皆さんしっかりした職種を持っているんだなあと思った。しかも、あの子やっぱりタヌキじゃないんだ…。
「それにしても、あんたどこから来たの?」
『いや、それはわたしも全くで…』
「おれが連れてきた!」
「自信持って言うな!」
「ルフィ、島にいたよな」
「ここって無人島じゃなかったか?」
それにしてもこのルフィって奴が船長ということが驚きだ。他の人はすごいしっかりしてそうなのに。あ、鼻の長いウソップって人は抜きとして。
『わたし、多分違う世界から来たの。こんな変な人間初めて見たもん!』
「いやおれも入ってんのかよ!」
指差す手にビシッと突っ込みされた。
ゴム人間だか、長っ鼻人間だか知らないけど、こんな超人(変人?)、世界〇見えでも見たことないっつの!
「よかったなーウソップ!お前変だってよ!」
「お前が言うか!」
「すげーウソップ!(キラキラ)」
『あ。あなたもね』
「おっおれもか!?(何故かキラキラ)」
『(タヌキ人間…)』
帽子から生えた角をさりげなく触ると、ギャー!と驚いてキッチンの隅まで逃げてしまった。体の半分出したままこっち見てるけど。
注意をしてあげようかと思ったとき、目の前にハリケーンがやってきた。あれ?今日って晴れだったような…。
「名前ちゃんと言ったかい、なんて素敵な名前なんだ…ラズベリーワッフルです召し上がれ、僕が作りました」
『…わ、ありがとう!』
な、なにこれ!この甘くてとろけそうな香りに、完璧すぎる仕上がり。美味しそう。なーんだ、普通の人も…
「そんな可愛い笑顔見れるんだったらおれなんでもしちゃうよ〜〜!」
…いないか。
「頼むから海に沈んでくれ」
「なんだとクソまりも、海はてめぇの故郷だろうがよ」
「お前ぇやんのか!」
「上等じゃねぇか!」
ゴンッ!!
「うっさいのよ!!」
「名前、他の部屋で話を聞くわ」
『…は、はい!』
え、今あっちから何本か手生えなかった?ナミって人の鉄拳もかなりやばい……。
絶対おかしい。絶対おかしいこの船!。悲鳴を押し殺しながらは黙ってついていくしかなかったのだった。(カツ丼出されるんじゃないかな…)
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