「さっきの子戻ってきたわよ」
「なにぃーっ!?」
「さっきの可愛い子ちゃんかっ!?」
「ほんとかっ!?」
船の麓に付くと、先程のルフィ、オレンジ色の髪の女の人、まゆげがクエスチョンの男の人に、顔が怖い刀を持った人に、タヌキちゃんが船から顔を出していた。それに黒髪の綺麗な人と、鼻の長い人もいるな。
『たのもーーうっ!』
「なんだなんだ?」
「道場破りでもすんのか?」
「勇気のある奴だな」
「隣にいるのはどなたかしら」
「仲間になる気になったか!」
なんだかこの一味たちには”お気楽”という言葉がどうも似合っている。わたしはさっき、この隣の男と同盟を組んだのだ!麦わらルフィをぎゃふん!って言わせるってね!
「おい麦わら!」
「名前ー早くこっち来いよー!」
「お前には」
「楽しいぞー海賊はー!」
「恨みがある!」
「なー早く来いよー」
「って聞けぇコラ!!」
「なんだよお前うっせえな、さっきから。どっかいけ!」
「なんだとてめぇ!人の話を聞け!」
「そいつはおれの仲間だ!」
なんて気楽な奴なんだろう。てかなんでわたしが仲間になる前提になっているんだろうか。しかし、その時だ。首を掴まれた。一瞬、訳が分からなくなって上を見上げると同士を組んだはずの男の腕に掴まれていた。
女の勘というものなのか分からないけど、殺されると思った。
「話が違うじゃねぇか、お嬢さんよ」
『な・・・何が!』
「おれたちゃ同士じゃなかったか?」
『だ、だからわたしはあいつらなんかの仲間じゃなくて』
「山賊をみくびるなよ?」
『山賊…!』
男の目が一瞬にして変わり、首が苦しくなって息が辛くなった。何が海賊に山賊よ!わたしはこんなとこに来たかった訳でも、憧れてた訳でもない。来たくなかったのに。冗談じゃない。
キラリと光ったナイフが突きつけられ目を強くつむった。
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