川辺でお団子を頬張る二人。今日はきり丸と一緒にバイトをしに町に出かけた。
お小遣欲しいからなんて言ってついて来たけど、きり丸可愛いーんだもんな。なんか、弟が出来たみたいで、側に置いておきたいってゆうか。土井先生の気持ち分かっちゃうなー。
「いやー、団子奢ってもらっちゃって悪いっすね!」
『いいよ、わたしも食べたかったし』
バイト後で疲れてるし。隣で嬉しそうににこにこしながら食べるきり丸見れたらなんかそれでお腹いっぱいだ。まあ、こうやって奢っちゃうわたしはきり丸に甘いんだろうな。でもさ、やっぱり可愛いんだもん。
『あ、きり丸』
隣を見たら口の横についてるお団子のあん。そっか、きり丸はみたらし団子を食べたのかなんて思いながら、見上げた拍子に指でそれを拭い取ってあげた。
全く!なんて可愛い生き物なんだ。
指についたあんを食べて「付いてたよ」と笑ったら、そこには予想外な反応が待っていた。
「……」
顔を真っ赤にして俯いているきり丸。
え、え…?あ、あれ?な、なんかこの子爆発しそうな勢いなんですけど…?ど、どうしちゃ
「…こ、ども扱い、すんなよ」
じろりとわたしを見つめた瞳。どきっとした。(どっちの意味だろう)
『あ、ごめんね、そうだよねわたし』
「名前さんはおれのこと、弟みたいに思ってるかもしれないけど」
子供扱いしすぎたよね。そう言葉が漏れそうになったのを遮られて目の前が藍色でいっぱいになった。
「おれだって男なんすからね」
何か、唇に柔らかいものが当たった。
薄く閉じた瞼から見える瞳が妙に色っぽくて、こんな顔するんだ、ってビックリする。
柔らかい風が悪戯をするように藍色を大きく靡かせた。
ああ、今わたしの心臓高鳴ってる。
頭の奥で何かがはじける音がした
おれにもこういうこと、出来るんすから
- - - - 20101203
|