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波打つ砂浜

Jはいざ海に入ろうとするも、波が押し寄せる度にびっくりして逃げた

「うひゃっ」

「J、怖くないよ」

ジョーは先に海に入って、腰が浸かるくらいのところに立ってJに手招きする

「…えい!」

Jが駆け出すとパシャンッと水の跳ねる音がした

「冷たーい!」

Jはプルッと体を震わせて、ゆっくり足元を見た。水は透き通り、浸かった足が水面の光りで青く見える

「……きれいー」

「J、ゆっくりでいいからね」

「んしょ…んしょ」

Jは水の抵抗と波に倒れないように歩いた

「パパー」

ジョーとところまで歩くと水面はJの胸の高さになり、浮き輪がJを支えた

「浮き輪に寄りかかってごらん」

Jがギュッと浮き輪にしがみつくと、海底から足が離れ、Jの体はプカプカ浮いた

「きゃーゆらゆらー!」

初めての浮遊感にJは大はしゃぎで足をバタバタした

(…もう少し深いところでもいいかな…)

ジョーは少し沖に進み、海面が胸の高さほどになるところまで歩いた。Jはほとんど足がつかなくなっていたが、浮き輪に掴まり、波に揺られて楽しそうに水で遊んだ


Jとジョーが海中で遊んでいた、その時

「だっ誰かっ!!助けてぇ!!」

「あっ!」

砂浜からかなり離れたところに助けを求める女の子の姿があった。手をばたつかせて体が沈むのを必死に防いでいる

「助けてって言ってる!たいへん!」

「……っ!」

ジョーは、他に気づいている人がいないか探し

「くっ…J、これ以上海の方に行かないでね」

Jに注意してから、女の子を助けに向かった

「パパがんばれー!!」

Jは華麗に泳ぐジョーの背中にエールを送る。ジョーは女の子のところまでたどり着くと、腕を引いて首に掴まるように促した

「君、大丈夫!?」

「あぷ…はぁはぁ…あ足が…ツって」

女の子を助けるジョーを遠目から見てJはキラキラと眼を輝かせた

「カッコイイー!!」

Jは女の子を砂浜へ誘導するジョーをじっと見つめ、夢中になるあまり波の動きが変化してしてることに全く気づかなかった




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