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8時半も過ぎた、夕方頃
空は暗くなり、家々の灯りが目立ち始めていた
「パパだ!おかえりなさーい!」
玄関のドアが開く音と同時にJは廊下へ走って行ってスリッパをはいたところのジョーに飛びついた。片手に持ったコンビニ袋がガサッと音を立てた
「J、ただいま」
ジョーはJを抱き上げると、後から来たジェットに顔を向けた
「おかえり」
「ジェット、ごめん、ちょっと帰りが遅れた」
「いいって、今日はラザニアな、あんま自信ないけど」
「わぁ、僕お腹ペコペコだよ」
「Jもー!!」
ジョーは、えっ?と一瞬戸惑い少し困ったような顔でジェットを見た
「先に食べてて良かったのに…」
「パパと食べたいんだって。俺も3人で食べたかったし」
ジェットの何気ない言葉にジョーは暖かそうに笑った
「ありがとう。あ、お土産あるよ」
ジョーは抱えていたJを降ろすとコンビニ袋の中を見せた
「プリンー!」
「ご飯の後に食べようね」
「はーい!」
Jは嬉しそうにコンビニ袋を抱えてキラキラ目を輝かせてダイニングへ走った。2人はその姿にクスクス笑った
***
「―…そういえば今日、車のラジオで聞いたんだけど」
食後、人数分の飲み物とプリンの置かれたダイニングテーブルでジョーが思い出したように話し始めた
「ん?」
「もうすぐ海開きだって、今年は特に暖かくなりそうだから、海水浴には最適だろうって」
「へぇーいいなぁ…」
ジェットが相づちをうつと、隣に座ってプリンを食べていたJが首を傾げた
「うみびらき?」
「…そういえばJは海行ったことなかったね」
ジョーが言うと、Jはジェットをジッと見つめて、聞いた
「うみってなぁに?」
ジェットはちょっと首をひねって答え、
「んーデッカい水たまりかな!」
「いやいや…そんな簡単なものじゃないよ」
安易な説明にジョーが待ったをかけた
「じゃあ、塩っぱい水たまりだな!」
「…ゔーん」
自信満々のジェットにジョーは苦笑いして首を傾ける
Jは2人の会話を聞いていたが答えが出ないので、とりあえず残ったプリンを食べることにした
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