┗6
{こち…0…3…00…ツ…0ゼ…9…聞こ…る?}
{003か?通信が途切れて…}
基地内部に加え距離があるのか通信は途切れ途切れに入る
{今…向かって…るわ…も…少し…}
周辺に近づくにつれ段々と通信がはっきりして003の声だと確認できた
{003、なにかあったのか}
{新兵器の情報…の…戦…ては…いけな…}
{新兵器?003たちのところにも現れたのか?}
聞き取りづらい通信に集中していた二人は巡回の兵士が接近していることに気付くのに一瞬遅れた
「はっヤベッ」
「!!…侵入者!!」
兵士は銃口を二人に向け即座に発砲した
二人は加速装置で回避し兵士を峰打ちしたが発砲音を聞き付けた他の兵士たちによって内部は警戒体制になり、けたたましいサイレンが響きわたった
「くそっ見つかっちまった」
{まって…聞いて!…新兵器は…あの子たちは!}
{話は後で、落ち着いたらまた連絡する!}
009はそう言うとSPガンを構え走り出した
「いたぞ!撃て撃て!」
サイレンの響く中、兵士たちがマシンガンを持ち駆けつける
099は加速装置を使って回避を繰り返し、複数の兵士を倒しながらすり抜け翻弄し徐々に人数を減らしていく
002もジェットエンジンで飛び上がりマシンガンや手足を狙い撃ち戦闘不能にしていった
「思ったより手薄だな。制圧できそうだ」
002は飛び交う銃弾を避けほとんどの兵士が戦闘不能になったころ地面に着地した
武器を失った兵士は009がまとめて縛り上げ怪我をした兵士はその場で倒れほとんどが気絶していた
サイレンの鳴り止まない基地内はその音と機械の動く音以外はなくなり、二人は脳内通信を再開した
{こちら009。今、兵士の鎮圧に成功した。思ったより兵士が少なかったようだ。}
009の呼び掛けに003が応答する。さきほどより近距離にいるのか今度はハッキリと聞き取れた
{ああ、良かった…そこにあの子たちの仲間はいなかったのね…}
003の安堵した声に002は不思議そうに眉をひそめ訪ねる
{おいおい、そんなにヤバイのか?}
003は少し黙り
{確かに強い相手よ…でも私が会わせたくないと思ったのは…あの子たちが…―――}
二人が003の返答に集中していると後ろから気配を感じ、同時に声が聞こえた。
それは
「お前たちが侵入者か。」
少し高い少年の声だった。
「………」
002は声の方を向いた
同時に003の返答が頭に響き言葉を失った
“あの子たちが…元は人間の子供だから”
003は確かにそう言った。
そして、目の前にいる少年も
009によく似た顔立ちと002にそっくりな赤毛をなびかせた少年も
{あの子たちは機械じゃない。サイボーグなの}
それに当てはまる存在なのだと知った。
・・・続く→
[ 281/325 ]
←[*prev] [next#]→
[一覧へ戻る]
[しおりを挟む]
トップへ戻る