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003たちがドルフィン号へ向かっている頃
006たちから新たに子供型兵器の情報を得た002、009は最初に得た情報を頼りに製造ラインのある基地を探していた
周囲は鬱蒼(うっそう)とした森が広がり、鳥がさえずり遠くから川のせせらぎが聴こえた
{―…というわけで、1体でもかなりのスペックってわけだ。}
脳内通信で007がティゼについて話し、009は眉をひそめ聞いていた
{敵の数はいまだにわからないが、恐らく…}
{製造基地にもいるかも知れないってことか}
002が答えると007がその通り、と返した
{…そうか…わかった。製造基地にもいる可能性も考えて潜入を試みる}
{無理はしない方がいい。なんせ1体で数十体のサイボーグマンを瞬殺して、なおかつ俺たちを手こずらせたんだ。他の子供型兵器の力も底が知れない。}
008が話し二人は黙る
{難しいようだたら、戻てくるヨロシ。作戦を練る時間、まだアルのコトヨ}
006が言って、二人は同意し
{無事に戻ることを優先するよ。任務が完了したらまた連絡する。}
そう言って009は通信を切った
「………」
「大丈夫?ジェット」
木々が茂る狭い空を002は静かにながめ
「ああ、早いとこ見つけよう」
009に振り向くと肩をポンと叩き歩き始めた
***
森を捜索して数分
山の一部が崩れてできた崖の側面、やや高い位置に緑と茶で塗装された鉄の扉が見えた
崖から垂れる蔦や草花、周りの森はそのままに無機質な扉だけが異質に存在している
扉が開くと中から滑走路が伸びて無人飛行機が飛び立つと再び扉が閉まった
「車輌や兵はまた別の場所から出入りしてるみてぇだな…」
「うん。周囲を探してみよう」
二人は周辺を探り、崖下に裏口のような小さな出入り口を、崖の反対側に地に面した競り上がる油圧式の扉を見つけた
二人は裏口のような小さな出入り口を張り込み、黒い軍服を着た兵士たちが入るタイミングに合わせ加速装置を使って侵入した
出入り口を抜けた先、製造基地内部は大きな機械が幾つも置かれた広い空間だった
高い天井には無数のパイプがめぐり、ライトが等間隔に並び内部を照らしている
一定間隔で動くベルトコンベアーに機械が並びロボットアームがテキパキと組み立て溶接をして組上がった機械はトラックへ積まれていった
監視カメラは出入り口付近にしか無かったが、見張りの兵士が巡回しているらしく人の気配が常にあった
{広いな…}
{見た限り新兵器の製造基地ではなさそうだ…}
巨大な製造機器の影に隠れ二人は周りを見渡し破壊工作の算段を練る
そんな中脳内通信で連絡が入った
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