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「いたぞー!!敵だー!!」
銃声を聞き付けたB国の兵士数人が駆けつけ二人にマシンガンを構える
「チッいったん引くぞ!」
004は膝をずらしマイクロミサイルを兵士の数メートル手前に撃った
爆発音と共に土煙が舞い上がり兵士から視界を奪いそのすきに撤退した
003は少年を見つめ、少年もまた003を見ていた
***
二人が撤退した後
土煙が晴れて兵士長らしき男が少年に近づき片腕がないことに驚いた
「ティザー殿…腕が!」
ティザーと呼ばれた少年は痛みを訴える事もなく
「……スペアパーツならある。」
もう見えない003たちの方を向いて呟き、ティゼを乗せた無人機を遠くに見た
「早かったな…」
ティザーは脳内通信の回線を開いた
[ティゼ、帰還したんだろ。応答しろ]
ザーッとノイズがしばらく続いてピピッと電子音が鳴った
[今上空から見えてますの。ティザー、なにか?]
[敵と混戦した。赤い防護服に黄色いスカーフを着たやつらだった。]
[あーそっちにも出たの、裏切り者のサイボーグ。]
ティザーは一瞬眉を動かし無表情に戻る
[混戦中に右腕を飛ばされた。スペアをつける時間がほしい。しばらくこの辺りの警備を代わってくれ]
ティゼはしばらく黙り
[そっちって、ティゼの服の替えあったかしら]
ティザーに聞き返した
[?…たしか、俺たちの駐留スペースに置かれているはずだ]
ティザーは短く答え
[そう、わかった。いいよ。スカール様に話しておきますの。…スカール様からもらった体なのです、大事にしなきゃダメだよ。]
ティゼはそう言って通信を切った。
ティザーは頭上を過ぎる無人機から身を投げて拠点に着地するティゼらしき人影を見送り、自身も兵士たちと共にB国へ戻った。
***
「…003、さっき戦いを止めたのはなぜだ」
ドルフィン号へ戻るため森の中を走る004は003に声をかけた
「……」
「見た目は子供でも兵器だ。情にほだされてる場合じゃないだろう」
004の言葉を受け003は走りながら険しい顔を上げた
「あの子…あの子は……」
003は苦しそうに重く口を開いた
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