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ティゼはダンッと片足を踏み込み前屈みになると両腕を振った。長い袖で手元は見えなかったが、風を切る音と共にキラキラ光るナニかが放たれた
「!?うわっ!!ううっ!!」
キラキラしたものは一瞬で008に絡み付き締め上げ首に食い込んだ
「008!!」
006は息を吸うとティゼと008の間合いに火炎を放ち消し炭になったナニかがパラパラ地面に落ちた
「ゲホッ!ゲッ!はぁはぁ…」
008が手元に残るそれに眼をやる
「ワイヤーだ!!ピアノ線みたいに細い…これでサイボーグマンの首を飛ばしてたんだ!!」
叫ぶ008に驚き007はバッとティゼを見る。ティゼは構わず腕を振り007にワイヤーを絡め引っ張る
「ぬうっ!仕組みが分かれば―!!」
007は小さなネズミに変身しワイヤーから逃れる。ティゼは驚いたが新しい玩具を見つけた子供のように笑顔を輝かせ
「あはは!すごいです!」
立て続けにワイヤーを放った。避けられた返しの付いたワイヤーは瓦礫や地面に刺さる
008もSPガンを撃ち応戦するがワイヤーで瓦礫を引っ張り弾を受け粉砕した瓦礫から出た一瞬の土煙で視界を遮り一気に間合いを詰め今度は一回り太いワイヤーを008に放ち胴と腕に絡ませた
「がっ!身動きが―うっ!!」
ティゼはワイヤーをパージしてそのまま膝から体当たりし、反動で背面飛びをして着地、008は体制を崩して尻餅をついた
006は火炎放射のため息を吸い、ティゼがグルッと顔を向けると同時に火を吐いた
「きゃははははは!!」
飛び上がり火炎を回避したティゼの軌道を読んでいた007は変身を解きSPガンをしっかり構え
「オイタが過ぎるぜ、レディ!」
「―!!」
エネルギーマグナムを撃って命中させた
空中爆破をして落ちるティゼは身体を捻りなんとか着地した
「……」
ティゼは眼を見開き自分の手を見た
銃弾を受けた長い袖が焦げ手が露出した
ティゼの両手は004のハンドガンのように重い鉛色をした無骨な作りで指先の穴からワイヤーを射出する仕組みになっていた
ティゼはワナワナと震え
「よくも…よくもぉおおお!!!!」
激昂し三人を睨み付けた
三人は身構えティゼは噛みつくような勢い
で前のめりになり
[ティゼ、戻りなさい。]
直後ピタッと動きを止めた
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