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「うーん、うーん…うぅーーん」

Jは両腕を組んで首を数回傾げてたっぷり悩んだ

そして、うつむいた顔をアルベルトへ向けてゆっくり答えた

「あのね、Jね、アルベルトさん好きだけどね、パパはねもっと好きでね、だからパパは、パパがいいの」

「…」

「だってJ、パパみたいになりたいもん!」

キラキラさせた目に偽りはなくアルベルトは少し残念そうに笑って、フッと息を吐くとJを撫でた

「…そうか、無理言って悪かったな、J」

Jはブンブン首を横に振った

「Jも、ごめんなさい」

ぺこっと頭を下げるJにアルベルトはニヒルに笑った

「別にいいさ、頑張れよ、J」

「カーッコイーイ!!」

Jの歓声にジョーがひょこっとキッチンから顔を出し…

「むぅ…」

「はいはい妬かない妬かない」

その仏頂面はジェットによってすぐキッチンに引き戻された


***


「Jぇー今日はパスタだよー」

「ぱすたー」

ジョーの呼び声にJはピョンとソファを降りるとキッチンから自分の分のパスタが乗ったトレーを持ってダイニングテーブルについた

「ほーえらいんだなJは」

「えへへー」

隣に座ったアルベルトに褒められてJはくすぐったそうに笑った

「「いただきます」」

4人は賑やかな食事をとった


***


夕食を済ませてお皿を片付けた後

家族3人と客1人を交えダイニングテーブルで食後のコーヒー(Jはオレンジジュース)を飲んだ


ジェットは同居初日の話や花見に行った話をしてアルベルトはギルモア邸の様子や他の仲間の話をした

今は平和だと、何も心配することはないと伝えた


「−…さて、そろそろ帰らないとな、博士が心配しているかも知れない」

アルベルトがそう切り出すとジェットもジョーも一様に頷き席を立つアルベルトを玄関まで見送った

「気をつけてな」

「博士によろしく伝えて」

「ああ、2人も頑張れよ」

挨拶を交わし終えて握手をするジョーとアルベルト。それを穏やかに微笑んで見守るジェット

しかし、Jだけは1人寂しそうに見上げ玄関ドアを開けて出ようとするアルベルトの服の裾を掴んだ

「行っちゃうの?」

「…J」

「あ、J、引き止めちゃ」

ジェットが言うとJはジェットに振り向いた

「でも、でも…」

悲しそうな顔で今にも涙がこぼれそうだった

「J…もう会えなくなるって訳じゃないんだよ、会いたくなったら、会えるからね」

ジョーが頭を撫でながら優しく言うとJは寂しそうに頷いた





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