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会議室に戻った二人は仲間と共に今回の目的と作戦について話し合った

博士が映写機で紛争地域の地図を写し、負け始めている国をA国、新型兵器を保有する国をB国と呼んだ


「負け始めているA国は、またBGから新しい武器を入手するかもしれない。これ以上の規模拡大を防ぐ為には俺たちで防衛し敵を倒す必要があるだろう」

005(G.Jr.)が淡々と述べ、皆が頷く

「相手の新型兵器の情報が少なすぎるから、B国への偵察も行うべきね…」

「油断を誘うためなのか、軽量化を図ってるのか、子供型のロボットにする理由、知りたいネ」

003が話して006(張々湖)も続ける

004が腕を組み

「それも重要だが、BGの基地も見つけたいところだな。製造ラインを止めちまえば売買も出来ない。両国の被害も軽くなるはずだ」

大元を叩く案を提示した。


「ふむ。どれも早急に進めたいところじゃな」

博士は一人一人の提案を聞き髭を触りながらスライドの地図を見た

会議の結果、001、005はドルフィン号に待機、A国に006、007、008、ギルモア博士が説得へ行き、B国に003、004が偵察として潜入、002、009はA国に一旦は同行し、BGの基地の情報が入り次第基地の捜索、可能なら製造の遅延、破壊工作をするよう指示が出された


「まず情報収集が最優先だ。くれぐれも無理はしないように」

ギルモア博士が話し終え、皆個々の部屋へ向かい出発の日まで各々過ごした




***




出発前日の夜

自室にいた002はベッドの上で横になり垂れた長い髪を押さえるように両腕を頭に回し窓の方を向いてカーテンのすき間から見える星空を眺めていた

「………!」

廊下に気配を感じた002はドアに目をやり、ややあって小さくノック音が聞こえた

「…誰だ」

002が上体を起こすとドアが開いた

「ジェット…起きてる?」

ドアから顔を出したのは009だった

「ジョーか…入れよ」

「あ、うん」

002は部屋に招き入れ009はとりあえず机に備えてあった椅子をベッドに近づけて座った

「……」

黙る009に002が口を開く

「…明日だな。」

「うん…」

言葉は少なくすぐに沈黙した

「…ジェット」

「ん…?」

009は小さく息を吐いて002を見据えた

「僕は…敵がどんな姿でも、戦うつもりだ。」

「…うん」

「そして、君を一番に優先する。何があっても君を助ける。僕は迷わない。誓う。」

「……」

009の真剣な様子に002はしばらく驚いて少し表情を緩めた

009はハッとしてあたふたと顔を赤らめ立ち上がり

「そ、それだけ言いたかっただけだから…なんかごめん。」

部屋を出ようとしてドアへ向かい

「俺も、そうする。」

002の言葉を背に受け動きを止めた

「迷ったら、そん時は頼む。」

「……うん。おやすみ」

009は002に背を向けたまま部屋を後にした

不安を拭うように口にした「誓い」を二人は胸に止めて

戦いの待つ夜明けを迎えた





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