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『ピンポーン』

「あれ…お客さんかな…張り紙貼っといたのに…」

『ピンポンピンポーン』

「…はーい」


新八はトタトタと玄関先に急いだ

カラカラと引き戸を開けて待っているであろう依頼人に声をかける

「あのーすみませんが仕事の依頼は…あ」

しかし新八の目の前に立っていたのは依頼人ではなく私服姿の土方

「…土方さん」

「…よ」

土方は短くそう言うと食品が沢山入ったビニール袋を差し出した

「お届けものでぇす」



***


「銀さんお客さんだよ」

「ゴホッ…おいおい…仕事なんて出来ねぇぞ…」

新八はスラッと襖を開けて土方を銀時の寝ている部屋に通した

「お見舞いだよ銀さん…どうぞ、なにもありませんが」

「いやお構いなく」

銀時は土方の声を聞くや飛び起きた

「…な、何しにきたんだよ」

「…だからお見舞いだっつってんだろ。5秒前に聞いたこと忘れてんなよ」

銀時はかるくパニックになっていた

「お見舞いって誰の」

「…テメェしかいねぇだろ」

「家間違えてねぇ?」

「なんでだよ!そんなに嫌か!俺が見舞い来んの!」


「っ…ゴホッ」

犬猿の仲同然の2人がいつものやりとりをして

でも、本調子ではない銀時は咳でそれ以上言葉が続かなかった





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