「休業万屋の1日」
『休業万屋の1日』
[「万屋銀ちゃん」休業のお知らせ]
「……あ?」
銀時の店(正確には借家)の前に土方は小さな張り紙を見つけた
一通り張り紙を読むと土方はフッと笑い
「…バカも風邪引くんだな」
そう言って店を素通りしていった
***
「…ゴホッ…ケホッ」
「銀さん…あれだけ寒中水泳は自殺行為だって言ったのに」
「ゴホッ…泳いでねぇよ」
「500円玉落としたからて川に飛び込むなんて…本物のバカアル」
「…るせぇ最後の生活費だったんだぞ、命張るのも同然だと思わねぇのか!」
「思いません」
「思わないアル」
「…ふん…ゴホッ…ゲホッ…」
新八と神楽に特に看病もしてもらえず銀時は布団に横になっていた
熱があるのか頬は蒸気して息も荒くつらそうにしている。少し乱れた寝間着から汗ばむ肌がのぞいていた
(…銀さん、いじけちゃうから(泣))
銀時はそうつぶやくと横に向いて窓から外をながめた
***
数分後
万屋を素通りした土方が戻ってきた
「フゥー…」
くわえタバコを放り踏んでもみ消すと片手に色々入ったビニール袋をぶら下げてカンカンと店の階段を上がっていった
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