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「アンジェリカ…様…?」


配列を立て直す働き蟻たちの中でアタシとアンジェリカ様だけ静止していた


「その様子では私に気づいていなかったようだな。お前の列よりかなり後方にいたから無理もないか…」

アンジェリカ様は鋭木刀を腰に差して雄々しくもにこやかに微笑みかけた


「ニィコ!大丈夫!?」

イアンに肩を掴まれてアタシはハッと我に返った



「これで2度目だ…いや、これからは何度助けることになるか…少し楽しみだよニィコ。」


アンジェリカ様はニッと笑うと

「では皆、職務を全う出来るように尽力してくれ」

そう周りに伝えると働き蟻の列の間を歩いていった


「アンジェリカ様が…部隊の護衛だなんで」

アタシは複雑な気持ちにちょっぴり嬉しさが混ざったような不思議な気持ちだった




その後

ナズナの幹は倒され、アタシたちは切り分けられたら若葉と蕾を分担して運んだ


途中兵隊様たちがイモムシを狩って、担ぐ中にアンジェリカ様も見えた


汗が光る横顔がチラリとこちらを見て微笑む

アタシの胸は高鳴り、知らず知らずアンジェリカ様を目で追ってしまう


(だめ…だめよ…任務を果たさなきゃ…)


アタシは懸命に目の前の仕事に集中しようとしたが

その日1日の仕事内容は、ほとんど覚えていなかった







これからどうなるのか


アタシは不安と嬉しさとで複雑な気持ちを抱えたまま


アンジェリカ様と日々を共にすることとなった






つづく

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