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振り向いた先にいたのは


「……兵士…様」


片手に木の実、片手にコオロギのモモ肉を担いだ兵隊蟻

アンジェリカ様だった


アタシが言葉を続けられずにいると、シイナ姉さんが眼をぱちくりさせて

「兵隊様にあだ名で呼ばれるなんて…どんな関係!?」

興味津々に食いついた


イアンがやや呆れた感じで

「もう姉さんてばゴシップ好きなんだから、この方がニィコを助けてくれた兵士様なんです。それだけよねニィコ」

「え、あ、うん。そう」


アタシはうろたえつつ、イアンを肯定した

「えーそれだけ〜?」

姉さんがめげずに詰め寄る

「ええと…」

アタシが返答に困っていると

「楽しそうだ…邪魔したね」

「……ぁ」

アンジェリカ様はそう言って離れようとして、アタシは声が出ず、代わりに姉さんが声を上げた

「あーっ兵士様待って待って!イアン!兵士様に席譲って!私たち別のテーブルで食べますから〜ごゆっくり〜」

「ちょっ姉さんっニィコォ…」

「あ…イアン」

テキパキした動きで姉さんはイアンをガッツリ掴むと引きずるように席を離れ、こっちを向くとウインクして親指を立てた


(もーシイナ姉さんたら〜っ)

アタシは顔から火が出そうだった






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