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ややあって、5人はとりあえずテーブルについた

小さくなった鉄条はイスの上に箱を置いて座りバイト代にもらったケムリを鑑定所に持ち込んだこと偶発的にケムリを被ってしまったこと、それが『子供になるケムリ』であったことを話した

「まったく、鑑定屋のケムリ管理は杜撰(ずさん)じゃのう…」

牛島田が呆れたように鼻で息を吐き鉄条が返す

「でも長い付き合いだから、全額弁償はしなくて済んだ、ただ…」

「いつ、効果が切れるかは分からないんだ?」

「ああ、ケムリの主はホールでの練習が必要な中程度の魔法使いで、俺が被ったケムリは更に混ぜもの有りで純度が低いから効果は短いらしい」

豚と鉄条の話を聞いて佐治が頭をガシガシかいた

「どのくらいかは知らんが、その姿じゃ仕事は出来ないだろうな…」

苦い顔の仲間たちを見て鉄条は小さくなった肩を落として

「ごめん。オレが不注意だったから」

ションボリと頭を下げた

悲しげな仕草に一同グッと口をつぐみ

「謝ることないよ!鉄条は被害者なんだから」

「そうじゃ。魔法事故ってやつじゃ。な?」

「後悔しても仕方ない。今後を考えないとな」

皆一様に鉄条を励ました

「……」

鉄条は戸惑い気味に皆を見て最後に毒蛾を見た

毒蛾も少しだけ笑って

「大丈夫だ」

そう言ってポンポンと頭を撫でた

カァッと頬を染める鉄条を見て

「はっはっもう子供扱いされとるな鉄条」

牛島田が豪快に笑ってちゃかしつられて豚も本当だと笑った

「あっ悪い」

無意識に撫でていたことに気づいた毒蛾はパッと手を離したが鉄条は頬を膨らませてプイッとそっぽを向いた

「別にイヤじゃないけど…やっぱりなんかヤダ。」

気持ちを言い表せていない複雑な鉄条の返答に毒蛾はクスッと困ったように笑った


「とりあえず飯にするか」

佐治の提案に皆同意し支度し始め、毒蛾はふと鉄条を見た

「………」


その時はまだ、胸をつつく違和感に毒蛾は気づいていなかった




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