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「もう、あんなことしないって…」

毒蛾の真剣な申し出に鉄条は少し考えて、

「…キス…嫌だったか?」

論点の外れた質問を返した。当然毒蛾は怒った

「ッ!!そういう問題じゃない!!」

「…でも」

「オレの毒で倒れて呼吸困難起こして三日間昏睡状態になって、ずっとうなされて…苦しくなかったのか…!?」

「……」

「あんな思いまでして、オレと…キッキッキスする意味って、何なんだ!」

涙目で赤くなって怒鳴る毒蛾に鉄条は一言だけ返した

「…好きだからに決まってるだろ。」

「!!」

「…理屈じゃないよ…毒蛾」

「〜〜〜」

冷静で何の偽りもない言葉に毒蛾は何も言えなくなった

「だから教えてくれ…本当のこと。キス嫌だったのか?」

「………」

毒蛾は沈黙した

そして小さな小さな声で毒蛾は話した

「…は……初めて…この体質を恨んだ…」

「……うん」

「…キッ…キス…は…い嫌じゃ……なかった」

(……わ…)

赤面しながらポツポツと語られる毒蛾の言葉に鉄条は予想以上に嬉しいことに気づきニヤける口元を手で覆った

「……そっか」

「…鉄条…約束は―」

毒蛾は置いといた話題を持ちだし鉄条は満足げに答えた。

「するよ。もう死ぬようなキスはしない。」

毒蛾はホッとしたように少し笑った

「毒蛾、一番最初に話したやつなんだけど…」

「…わかった…オレが…鉄条を…殺す…」

泣きそうなでも気丈に見せる笑顔の毒蛾を鉄条は軽く抱き寄せ、

「…それまでは絶対死なないから」

「…うん」

そう不確実な契りを交わした





◇…END…◇

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