┗3


「…ジェット…顔見せて…」

「……ぐずっ…」

俺は毛布を握りしめていた手を緩めて体を起こした

「……」

ジョーは毛布をどかすと俺の肩を抱き寄せる。俺たちは横になったまましばらく抱きしめ合って俺が少し落ち着いたころジョーが口を開いた

「……ジェット…僕にしてほしいことは…なに?」

「…」

唇が震える。勇気が出ない

「大丈夫…言って…」

ジョーは俺の背中をさすって優しく頬ずりをした。俺は温かい腕に体を預けて

「……一緒に…いて」

吐き出すように振り絞った



***



「あぁ…ひっ…」

軋むベッドの上で俺はジョーを感じる

「ジェット…」

間接照明が灯る部屋でぼんやりとジョーの顔が見える

「ジョー…あっアッ…」

「いいよ…ジェット…」

「は…ぁ…っ」

顔を向き合わせて重なり合い熱を感じる。心が満たされてく

「あっ…イクッ…ジョォ…ジョー…!!」

「ジェット…愛してる…愛してる…!!」

腹の奥に感じる熱はいつもと同じはずなのに

とても幸せな気分だった。

きっとこれが、本来のカタチなんだ…、


***


「いてぇ…いてぇ…くそぉ」

三回の情事の末、俺は腰のだるさと尻の痛みに呻いていた

「…ごめん。つい歯止めが利かなくて」

申し訳なさそうな困り顔のジョー。でもどことなく満足げで、なんだか納得いかなくて

「そんなに俺とヤるの気持ちよかったわけ?」

つい、いじわるな質問をした

「…うん。ジェットのお尻最高だった」

ジョーは何の動揺も見せずにっこり笑って答える

…面白くねぇ

「ふてた顔も好きだよ」

ジョーは軽くキスするとうつ伏せだった俺の体を引き寄せて抱きついた

「一緒にいるよ…ずっと」

俺は緩む口元でぎこちなく笑った


***


…いつも空っぽで、絡んだ思考に苦しいだけだった心

でも今は恥ずかしいのと吹っ切れた感じと

幸せな気分だ


きっとこれが

人らしいってヤツだ





終わり

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