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Jはジェットに言われたとおりにスプーンを持ってカレーを口に運び、もぐもぐとよく噛んで飲み込むとニコッと笑った
「そう上手」
「おいしい?」
ジョーが笑顔で聞くと、表情から意味をくみ取ったのかJも笑顔で頷いた
「おいしいー!」
「………」
ジェットは可愛らしく笑うJを見て、暖かい何かが胸に広がるのを感じた
「冷めないうちに食べようね」
ジョーたちは楽しそうに、実際楽しくご飯を食べた。カレーがついたJの口元を拭って食べ方を教えるのが、ジェットには何だかこそばゆかった
***
「後は、お風呂だね」
ジョーは洗い終わったお皿をナフキンを持って待つJに渡して、食器棚にお皿を仕舞うジェットに話しかけた
「あー、じゃあ俺はJと入るわ…」
Jが一生懸命お皿を拭くのを見ながら、ジェットは答えた。Jが拭き終わったお皿と一緒にナフキンも受け取り、皿は棚にしまって
「なんなら3人一緒…ぶっ」
ナフキンは下心丸出しの提案をするジョーに投げつけた
「あほ。J、今のは真似しちゃダメだぞ」
「はーい」
そう言いながら、スタスタとバスルームへ向かった
「はは…かかあ天下になりそう…」
ジョーは困った顔で、でも少し楽しげに2人の背中を見送った
Jとジェットの入浴後、続いて入ったジョーがお風呂から上がった。スリッパが廊下を叩く音が響いて、その足音は寝室に向う
ドアを開けると暖色の間接照明が枕元を照らし、ベッドに座るジェットを映していた。生乾きのためか髪は降りて、艶やかに照明の光を反射している
「上がったのか…」
小声でジョーに話しかけると、傍らで眠るJの頭を撫でた
「うん、パジャマのサイズちょっと大きかったね…ぶかぶか」
「博士が全部あつらえたもんだからな、文句言えねぇよ」
Jを見るジェットの横顔は穏やかで優しくて、ジョーは少しムッとした
「J、よく寝てる?」
ジョーはもそもそとベッドに乗りながら、ジェットに話しかけた
「うん、…て、ちょっと!?」
ジェットがジョーを見たとき、ジョーの手がジェットのふがぶかのパジャマの中に入っていた
「ちょっどこ触ってっ」
「パジャマから鎖骨が丸見えなんだもん…」
「だもん、じゃねぇよ!!やめろって、あっバカッ尻を撫で回すな!!」
「…嫌なの?」
「イヤとかそーゆーことじゃ…ダメ、だって…っん」
ジェットが流されそうになったその時
「ん〜」
Jがもそっと動いて寝返りをうった
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