┗7

夕方になり

道路も車も道行く人も

公園の風に揺れるブランコも

世界は鮮やかに朱く

そしてゆっくりと赤紫から青へと闇色を迎えはじめていた

「はい完成ー」

キッチンでジョーが楽しそうに言った

「ジェットお疲れ様」

「別に言われたとおりしただけだし…」

ジョーの言葉にジェットはちょっと照れて平皿にご飯を盛る

「Jはこのくらいかな?」

ジェットはJの分は普通より少なめによそってジョーに渡した。ジョーはそこにカレーをかけて一皿づつ三つのトレーに乗せた

「Jー晩ご飯だよー」

ジョーがダイニングにいたJに声をかけるとJはくるっと2人に振り向いた

「ごはんー」

ぴょこっと椅子から降りてキッチンへ向かい2人に近づく

「おい危な」

ジェットの心配をよそにジョーはお皿とコップの乗ったトレーをJに渡した

「はいJの分だよ。運ぶの手伝ってね」

「おてつだいー」

Jはしっかとトレーを掴んでゆっくりダイニングへ運んだ。そして腕をぐっと伸ばしてテーブルに乗せた

「…ふぅ」

ジェットは小さく息を吐いた。2人もトレーを持ってテーブルについた。ジェットはJの隣に、ジョーはジェットと向かい合わせに座る

「いただきます」

ジョーが言うとJは首を傾げながら

「いただきます…?」

と小さく言った。ジョーはニコッと笑ってJを見て話しかける

「そう、ご飯を食べるときはいただきますって言うんだよ」

そう教えるジョーにジェットは食べながら質問した

「そういや何で日本はいただきますって言うんだ?」

ジョーはジェットにもJと同じような笑顔で答えた

「『いただきます』にはね、食材になった野菜や動物の『命をいただきます』って感謝の意味があるんだよ」

ジョーの答えにジェットはへぇーと感心しながら今食べているカレーを見た

「『パンをありがとうバターをありがとう』ってか?」

「ちょっと違うけど、そんなところだね」

2人が食べながら会話しているなかでJはジェットの手元を見て同じようにスプーンを持ってカレーとご飯をすくって口に運んだ

「あー…あえ?」

が、スプーンを傾けすぎてお皿の上にポテッと落としてしまった。Jに気付いたジェットはスプーンを持つ手をそっと持って

「これはな、こうして、このまま口に運ぶんだよ」

優しい口調でそう教えた



[ 188/325 ]

←[*prev] [next#]→

[一覧へ戻る]


[しおりを挟む]


トップへ戻る




トップへ戻る
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -