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夕方になり
道路も車も道行く人も
公園の風に揺れるブランコも
世界は鮮やかに朱く
そしてゆっくりと赤紫から青へと闇色を迎えはじめていた
「はい完成ー」
キッチンでジョーが楽しそうに言った
「ジェットお疲れ様」
「別に言われたとおりしただけだし…」
ジョーの言葉にジェットはちょっと照れて平皿にご飯を盛る
「Jはこのくらいかな?」
ジェットはJの分は普通より少なめによそってジョーに渡した。ジョーはそこにカレーをかけて一皿づつ三つのトレーに乗せた
「Jー晩ご飯だよー」
ジョーがダイニングにいたJに声をかけるとJはくるっと2人に振り向いた
「ごはんー」
ぴょこっと椅子から降りてキッチンへ向かい2人に近づく
「おい危な」
ジェットの心配をよそにジョーはお皿とコップの乗ったトレーをJに渡した
「はいJの分だよ。運ぶの手伝ってね」
「おてつだいー」
Jはしっかとトレーを掴んでゆっくりダイニングへ運んだ。そして腕をぐっと伸ばしてテーブルに乗せた
「…ふぅ」
ジェットは小さく息を吐いた。2人もトレーを持ってテーブルについた。ジェットはJの隣に、ジョーはジェットと向かい合わせに座る
「いただきます」
ジョーが言うとJは首を傾げながら
「いただきます…?」
と小さく言った。ジョーはニコッと笑ってJを見て話しかける
「そう、ご飯を食べるときはいただきますって言うんだよ」
そう教えるジョーにジェットは食べながら質問した
「そういや何で日本はいただきますって言うんだ?」
ジョーはジェットにもJと同じような笑顔で答えた
「『いただきます』にはね、食材になった野菜や動物の『命をいただきます』って感謝の意味があるんだよ」
ジョーの答えにジェットはへぇーと感心しながら今食べているカレーを見た
「『パンをありがとうバターをありがとう』ってか?」
「ちょっと違うけど、そんなところだね」
2人が食べながら会話しているなかでJはジェットの手元を見て同じようにスプーンを持ってカレーとご飯をすくって口に運んだ
「あー…あえ?」
が、スプーンを傾けすぎてお皿の上にポテッと落としてしまった。Jに気付いたジェットはスプーンを持つ手をそっと持って
「これはな、こうして、このまま口に運ぶんだよ」
優しい口調でそう教えた
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