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気がつけば、陽が少しずつ傾き始めていた

潮風も徐々に冷たくなっていった

「…っ…ん…」

002はブルッと身を震わせ身を縮めた

「寒いのか」

004は心配そうに002の顔を覗きこむ

「…やっぱ濡れたままじゃキツいな…」

002はへへっと困った顔で笑った

「……」

004は002に寄り添って優しく肩をさすった

「…アル」

「俺には体温がないから、こんなことしかしてやれん…すまんな」

004は悲しそうに笑ってその顔が002の胸をキュッと締めつけた

「で…でもっ…俺…嬉しいよ!」

「…」

「アンタから触ってくれて…嬉しい」

002は004の手に頬をよせて感触を確かめた

「…もっと…触ってくれよ」

002は004へ顔を近づけた

「ジェット…」

「…アルベルト」

2人はゆっくり目を閉じた





2人がキスする

まさに、その時


「ぅぉおおおオオ!!!おりゃああぁ!!」

「な!!?」
「え!?!」

雄叫びと共に009が上空から落下してきた

―ヒュゥウウゥー…ドゴォオオォン!!!!―

009は2人の数メートル先の砂浜に着地し、ぶわぁっと高く砂煙を上げた

「なっなんだ?!」

しばらくすると砂煙が徐々に薄くなりそこから009が走って2人に迫ってきた

「ジェエッッッットォオオーッ!!!」

―ズドドドドドォオ…ガバァッ!!―

「ほげー!!」
「うごぉ!!」

勢いに任せ009は002に抱きつき、すぐ近くにいた004は乱暴に突き飛ばされた

「ああぁジェットォ!!心配したよぉ!!!」





009は半ベソで002に抱きついてグリグリと頭を擦り付けた

「君がムッツリスケベ野郎と2人きりで孤島にいるっていうからっ……腕の怪我が心配で心配で!!」

009は半分までセリフを言って"あ"と、思い出したように後半のセリフを言った

「おっ前…本音ぶちまけた後に建て前言ってんじゃねぇよ!!クソ餓鬼が!!」

004は002が負傷した時と同じくらいの声で怒鳴り散らし

002は

(あ…本当だ)

と思った




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