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「しかしお前…海に飛び込んだからって泳いで島まで来ること無かったろ、(飛べるんだから)」

「…あ…必死すぎて忘れてた」

「…はは」

果てしない空と海しか見えない孤島。2人はそこで他のメンバーからの連絡を待っていた

「…近くに008がいなかったってことは、あいつもブラックファントムを追跡してんのかな」

「…おそらくな」

2人は防護服の上とスカーフを木に干して上半身裸で海を眺めていた

002は少し眼が赤かった

『…っ…002、004…応答して、2人とも無事なの?』

「おっ…003からだ」

002が耳元に手を添えて脳内通信に意識を集中した

『わりぃな、003…今アンタらから見て…南北の小さな島にいる。見えるか?』

『…ちょっとまって…見えたわ……002、あなた腕怪我してるの?』

002は怪我をした右腕で海に向かって手を振った。怪我をしたところには気休め程度に切ったスカーフが巻かれていた

『動くからそんな重傷じゃねぇって』

002がニッと笑うと004はフッと短くため息をつき

(それが元で俺は海に墜ちたんだがな…)

さっきの出来事を振り返っていた

『大丈夫そう?…私たちは今、ブラックファントムを占領したところよ。』

『行き先はわかったのかよ』

『ええ。進路を見て確認したわ。見たところ武装の少ない小規模の基地だったから、2人はそのまま休んでいて。』

『…大丈夫なのか?』

『もしもの時は再度連絡するわ。健闘を祈っていてね』

「……」

003との通信を終えて2人はしばし沈黙した。海風がハタハタと防護服を揺らした


「なぁアルベルト…」

切り出したのは002だった

「…ん?」

「さっきの空中戦なんだけどさ…」

「…」

「アルベルトさ、すげぇ無茶な戦い方しただろ?…いつもは臆病なくらい慎重なのにさ…」

002はぎこちない様子で004をチラッと見た

「あれってさ…俺のために怒ったのか?」

004は002を見てから海へ眼を向けた

「…正直、よく覚えていない、頭に血が上ったのかもな…」

「…アンタでもそんなことあるんだ?」

「まぁな」

002は知らなかったことを学んだように、ヘェと相づちをうった

「…特に…お前絡みのことは感情的になってしまいがちのようだ…」

004が笑いかけると002はポッと赤くなって顔を背けた

「…う…嬉しいけど…やっぱ…無茶は、してほしくねぇや」

002がボソッと言うと004は002の頭にポンと手を置いて

「さっきも言っただろ、お前を信じてるんだよ」

優しく、囁いた




(でも落としちゃったんだけど…)

002はそんなことを考えていたが自分が不利になりそうだったので言わないことにした




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