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(と…とにかく…2人で島に降りよう…)

002は怒鳴られるのを覚悟して思い切って004の脳内通信機へ呼びかけた

『ア…アルベルト…ごめん!!!ワ、ワザとじゃないんだ!!だから―』

『……――――』

しかし004からは、怒りの声どころか、返事さえ一切なかった

「…ぁえ?…あ…アル…ベルト…?…え……う、嘘だろ!?」

002の中で心拍数が加速した


***


004は猛烈な高さから海面へ落下、激突したため軽い脳震盪(のうしんとう)

※脳が激しく揺さぶられることにより脳の機能が一時的に低下する現象

を起こしていた

金属の体は浮上せず確実に海底へと沈んでいった

(………ぅ…)

意識が朦朧とする中で004はふと何かが見えた気がした

(ヒ…ルダ…?…)

揺らめく光と泡の向こうに見える

今は亡き恋人の姿


(…迎え…に、着てくれたの…か…)




004は穏やかな表情で手を差し出して、もう少しで手が触れようとした時


「行くな!!」

叫びに近い呼びかけが聴こえ、ほぼ同時に強く腕を捕まれた

「!」

ハッと我に返ると目の前に涙でボロボロになった002がいた

「…002」

004が力無くつぶやくと002は顔をくしゃっとして泣きながら怒った

「ナンバーで呼ぶな!バカぁ!!」

004は002に腕を強く引っ張られて002とともに浮上して海中を抜けた

「ブハァッ!!」

002はそのまま004を担いで近くに見える島まで泳いだ


***


島の端から端を見渡せるくらい小さな孤島

その砂浜に2人分の足跡が残っていた

数メートル先に足跡の主、002と004がいた

「…ハァ…ゲホッ」

「00ツ…ジェット…」

2人は塩水でびっしょり濡れて重みでその場にへたり込んでいた

「…何度も…何度も呼びかけてんのに…なんで返事しねぇんだよ!!」

002はうつむいたまま怒鳴った。垂れた髪で表情は伺えなかった

「…すまな―!」

謝る004に002は無言で抱きついた。その体は小さく震えていた

「し…死んじまったかと…思った…」

「……ん」

「マジ…心配し…うぅ…うぇええ〜ん」

002は幼い子供のように泣きじゃくって004をキツく抱きしめた

(実際…死にかけたけどな)

そう思ったが002を更に泣かせてしまいそうだったので004は何も言わずに002が泣き止むまで動かなかった








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