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「―004!!」
002は落下していく004をすかさず空中でキャッチした
「―あっぶねぇなぁ!何考えてんだよ!!」
002は一連の動きがあまりにも危険なことに驚愕し激怒した
「少しでもタイミングずれてたら死んでたぞ!」
004は002の腕をポンポンと叩き
「お前を信じてるだけさ」
そう短く言った
「…な……チッ」
002は言葉を失って口をパクパクさせた。二の句を告げられず苛立って舌打ちした
敵機が残り二機となった時、008から連絡が入った
『―…002、004、今ドルフィン号が追いつく。状況を出来るだけ優勢にしてくれ!』
「…了解」
004は残り敵機の数とブラックファントムの様子を大まかに008に伝え敵機を出来るだけ攻撃していった
「おっ004、ドルフィン号が」
数分後
ブラックファントムから数十メートル離れたほぼ水平の位置にドルフィン号が来ていた。004もそれを確認する
「よし、俺たちは回避にまわって後はあっちに任せよう。お前の怪我が心配だ」
「…う…う、ん」
004の優しい言葉かけに002は言葉少なに頷いた
2人が戦線離脱すると敵機はドルフィン号に目標を移していた
「近くに島があるといいんだがな…」
004が言うと2人して大海原を見回した
「ん…002、ちょっと止まれ」
「ぅん?」
002は004に言われるまま空中停止した
「あっちに島が見えるな、孤島みたいだ」
004の指さす先に小さな緑の点が見えた
「あー確かに島…痛っ!!」
002は突然負傷した右腕に痛みを感じ無意識に左腕で抑えた
これが始まりだった
「ぎゃぁーー!!!」
004は海へ何の抵抗も出来ず墜ちていった
―ズドオォーンン―
大きな衝撃音と高く上がる水しぶき
「あ…あ…」
002はぶるぶる震え怒り狂った004を想像した
(…謝って済みますように…)
とてつもなく途方もない願いに思えた
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