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敵の数は計六機

しかし002はひるむことなく敵機の合間をかいくぐっていった

「002!!もっと安定して飛べないのか!」

「うっせぇ!先に酔い止めでも飲んでおけよ!」

004が怒鳴るほどの002の動きは予想し得ない非効率かつ派手な攻撃を繰り出し最も効率的な攻撃の予想しか出来ない無人爆撃機にしてみればそのスタイルは『理解不能』だった

「三機目!!」

「チィッ…」

002が敵機の数センチ上をかすめて004のハンドガンが唸る。装甲板を引き剥がし内部を露出させ制御装置を狙った。

弾丸を浴びた敵機はコックピットから翼にかけてスパークして制御不能となりとどめのミサイルで発破した。爆発した敵機は火の粉と残骸をまき散らして黒煙を上げ海に墜ちてゆく

「!!…ヤッベェ後ろ取られた!」

四機目が墜落した三機目の黒煙を煙幕に利用して002めがけ飛んできた

「やられた機体の残骸を死角にしたわけだ…効率的だな」

「分析してる場合かよ!!」

冷静な004に002は思わずツッコミを入れた

―ズダダダダ!!!―

敵機から銃弾が放たれ002の背中をかすめスカーフを少し焦がした

そして

―ズバッ!!―

「ぐぁあ!!」

弾丸が004を掴む002の右腕に命中した

「―002!!」

002はガクンと体勢を崩す

それでも004を落とすまいと掴む腕に力を入れた

「ぐ、ぅっ…004、当たってねぇか…」

002は腕の痛みをこらえ声を押し殺し心配かけまいと004を気遣った

「―――――…002…少し、耐えろ」

「!!?」

004の低く暗い声に002は驚いた

「ゼ、004?」

「…潰す」

004は明らかに怒っていた

「一回しか言わねぇからよく聴け!!」

「は!―え!?」

004のいつもと違う態度に002はただ戸惑っていた

「いいか、エンジン停めて0.2秒後すぐエンジン再点火して俺を敵機に投げろ!!」

004は一気にまくし立てて動きを説明した。002は考える余裕もなく004の言った通りのことを実行に移した

―バシュッ!!―

エンジンを切ると速度が一気に落ちて敵機が急接近し頭上数メートル手前まで迫る

「今だ投げろ!!」

0.2秒後002はエンジンを再点火し004をめいっぱい投げた。004は天を仰ぎすぐ目の前に敵機の底がすれ違う


「くたばれ」


―バババババッ!!―

004はタイヤの収納扉の僅かな隙間をハンドガンでこじ開け左肘のミサイルを打ち込み撃破した

「―くっ!!」

004は爆風できりもみ状態で空中に投げ出された






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