「色んな意味で堕ちていく。」



油断した


まさかアイツが

俺を落としちまうなんて

予想していなかった


「―アルベルト!!」

遠くにアイツの声がして

気がつけば海の中だった


***


数時間前

『緊急要請!飛行中のブラックファントムを発見したわ!』

003の緊張した声がギルモア邸にいたメンバー全員に聞こえた

『008はもう海から追跡しているわ。002、004もすぐに追って!』

003含む他のメンバーはドルフィン号に急ぐ。002と004は防護服に着替え外に出た

「なぁ追跡だけなら俺だけで十分だよな…」

「ああ」

002が軽いストレッチをしながら004を見た

「アンタを連れていくってことは…」

004は右手の弾の残量を確認し装填する

「…撃墜可…だな」

004の返答に002はニッと笑ってワクワクした様子で004に抱きついた

「ぶっ潰してやる!」

脚に内蔵されたジェットエンジンを点火し002は空を翔る。002の張り切りように004は複雑な顔をしていた


***


飛行してしばらく経ち002たちはブラックファントムをとらえた。後方に張り付いて見失わないように距離を縮める

「…ちっ…向こうも気付いたようだな」

ブラックファントムの後部、格納庫の扉が開いた。そこから小型無人爆撃機が飛び立ち002目指し攻撃を開始した

―ダダダダダッ!!―

激しい破裂音とともに機関銃から弾丸が放たれ空を切る

「おっと!!当たるかよ!!」

002はひらりと避けて次の攻撃に備えた

「………」

004は黙っていたが002に睨みをきかせて一言

「…わざと見つかったな002」

「まぁな。久しぶりだからよ!まずは肩慣らしだ!」

004の指摘に002は否定しなかった。詫びる様子も微塵もなかった。まるで状況を楽しんでいるように表情は輝いて見えた

(路地裏の取っ組み合いとは違うんだぞ、バカ者…)

004はグッと言葉を飲み込んで膝のマイクロミサイルを構え、002に一喝した

「後ろ取られんなよ!」

「おう!!」

002と004は敵機の懐に飛び込んだ






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