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「あら、どうしたの?防護服なんか着て」

よく晴れた空の下、海沿いのテラス

003が洗濯物を干していてすぐ前の砂浜にいた俺たちを見つけ話しかけてきた

「ちょっと004と遠出してくる」

「そう?…今日は西方向に乱気流と雷雲が見えるわ、気をつけてね」

柔らかく手を振って見送る003。あの笑顔がまた…

「…行かないのか?」

「と、わりぃわりぃ」

あからさまにムスッとはしないものの、ふっと目をそらして寂しそうにするから不覚にも可愛いなんて思ってしまう

「“上”のくせに、」

「ん…何か言ったか?」

「んにゃ、なんも」

そして俺たちはまた果てしない空にdiveした


***


遠い水平線に入道雲が真っ白な城を築いていた

ゼウスは今頃、、昼寝でもしているのだろう

俺はギリシャ神話に出てくるオリンポスの神々が嫌いじゃない

偽物と前に戦ったが(それが知るきっかけになった訳だが)
不死身で強靱的な力をもっているのに、笑ったり怒ったり恋をする、あの人間くささが好きだった

(あの科学者(ガイア)はギリシャ神話を履き違えてたんかなぁ…)

「―ツ…002、おいジェット!」

「うぉ!?何」

「降下してるぞ大丈夫か!?」

気がつくと海面の少し上を飛んでいた

「わりぃわりぃ、考えごとしてた」

「…003か」

004の顔は背中を抱える俺からは見えない

でもきっと

「泣くなよー」

「泣くかアホ」

「今はアンタのことだけ考えるからさ」

「…」

雰囲気で『怒っている沈黙』ではないと分かる

「じゃ、いいってか?」

「ふん」

何だか本当、抱きしめずにはいられない

「アルベルト可愛いっ!」

「ぐぇ」

今のは可愛くない





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