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「002、004、アップルパイが焼けたわ。一緒に食べましょ」

ひらりと舞う彼女のワンピーススカートと短めのエプロン

亜麻色の髪とエバーグリーンの瞳とのコントラストがなんとも言えず綺麗だ

「002、口開いてるぞ」

「…む」

俺たちは3人ダイニングに集まった

ギルモア邸に004と俺はメンテナンスに来ていた

004に関しては強制送還だったらしい。これ以上機械になりたくないからだろう。彼はメンテナンスが嫌いだ

ま、好きな奴はいないか

「さ、どうぞ」

切り分けられたアップルパイ。フォークでつつけばサクッとパイ生地が音を立てる

シナモンと砂糖で煮た紅玉の甘酸っぱい香り。傍らにはアップルティが置いてある

「うめぇ甘過ぎなくて食べやすい!」

「ぁ…00ツ―」
「あら、002ったら口に付いてるわよ」

「…むー」

「…ふふっ」

「…」

しばしの談笑。こんな日が来るなんてあの時は想像も出来なかったなぁ

「002、また口開いてるぞ」

「うー」

003は皿を片付けてキッチンへ、アップルパイの残りは冷蔵庫の中へテキパキと後片付けをしてくれる003

つい見ちまうんだよなぁ

「同じこと何回も言われてんなよ…ガキ」

「…」

さっきからだけど、ちょっと言い方冷たいと思ってた

「あんだょ、妬いてんの?アルちゃん」

「…な…ちゃん?」

「気にしなくてもアンタが一番だって!」

ポンッと肩をたたいて、おどけてみせて笑わせようとしたのに

「…」

意外にもノーリアクション

「004?」

「本当だな」

「え?」

「…じゃ…いい」

(あーらま)

うつむき加減の彼の頬はほんのり色づいていた

(かーいらしーねぇ)

そう思ったけど言ったら殴られそうなのでやめた。

代わりに―

「なぁ!久しぶりに2人で飛ばねぇ?」

彼を空へ誘ってみた






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