「片恋スパイラル」


初めて逢ったのはたしか、半世紀前だ

素性も知らない、誰かも分からないのに

アンタがニッて笑ったから

いつの間にか俺はアンタと空へdiveしていた




***




気がつけば俺たちは、世界に置いてけぼりをくっていた


『 拒 絶 反 応 』

再生しようとする人体と浸食した機械とのマサツによる痛み

それこそ俺たちが半世紀もの間眠らされた最大の理由だった

それは人間でありたいと願う最後の足掻き

いっそあのままくたばってしまいたかった


かくして俺たちはsleeping deauty(眠り姫)としてガラスで造られた凍てつく茨の城に閉じこめられた。

「科学の進歩」という名のプリンスの、蘇生のキスを待ちわびながら―…

それが悪魔の呪いとも知らずに―…

呪いは俺たちから寿命を奪い平穏な終わり方を許さなかった

それでも、俺たちは生きることを、選んだんだ






[ 134/325 ]

←[*prev] [next#]→

[一覧へ戻る]


[しおりを挟む]


トップへ戻る




トップへ戻る
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -