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朝だった
時計は10時を指している
「起きなきゃ…」
アルベルトが心配すると思いジェットは起きようとする
(平気な顔でおはようって言って安心させたい…)
そう思ったから
が
「まだ寝ていろ、」
横から声が聞こえた
裸のままのアルベルトだった
「アル―」
「俺も少し疲れたんだ…昼まで寝たい」
「……うん」
アルベルトの腕枕に頭を乗せてジェットはまた目を閉じた
アルベルトはふっと微笑みジェットの髪を撫でた
***
シャワーを2人で浴びて遅めの朝食を食べてジェットが皿を台所の流しに片づけた
ジェットがテーブルに戻るとアルベルトが木箱から写真を出してライターで燃やしていた
「何やってんだよアンタ!!」
火は瞬く間に写真の表面をなめて灰皿に落ちた
「俺なりのケジメさ…」
「…―」
煌々と燃える火
写真は真っ黒な灰になって燃え尽きた
「……アンタ」
「もう決めたんだ、お前だけを愛するって」
アルベルトの眼は真剣でジェットしか見ていなかった
「…ジェット…愛してる」
「…っ…ぅん」
ジェットは笑って泣いた
「『私、アルベルト・ハインリヒは―」
「?」
「病める時も健やかなる時もジェット・リンクを愛することを誓います』」
「…アルベルト」
「汝、ジェットは?」
ジェットはいつものように
「誓います。」
太陽のように笑った
終わり
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