┗3


「これで条件2クリアか…へぇ」

ジェットはまじまじと無表情の子供を見た。すると子供は今度はジェットにくっつくようになった

「保護者…ね」

002は子供を抱き上げ(ちょっと重かったが)立ち上がると博士が2人を玄関まで導く

「条件3は009に説明してある、それはこのアパート先で行ってくれ、」

歩きながら博士は懐から紙を取り2人に差し出した
。それはアパートへの手書きの地図だった

「かなりここから離れてますね…」

「より社会的な環境をと思っての、たくさん経験をさせてやってくれ、荷物は郵送してある」

「はい」

「じゃあ気をつけてのー」

玄関まで見送られ3人はアパートへ向かった


***


道中

「ところでさぁ」

子供を抱えたジェットがジョーに話しかけた

「ん?」

「なんでコイツずっと無表情なんだ?」

未だに反応の薄い子供にジェットは疑問をもっていた。それをジョーに尋ねた

「ああ、エネルギー温存の為だよ。」

「最低限の動きしかしないってことか」

「今はね。あと条件を認証する以外の記憶、記録かな、は残らない。例えば走って君にぶつかったことも、起動したら忘れて全部ゼロから始まるんだよ。普通の子供としてね」

「……そっか…」

ジェットはどこかホッとした様子で子供を抱えなおした

(普通の子供か…ならロボットって自覚もないのかな…言葉には気を付けよ)

「ジェット疲れた?…僕が抱っこしようか、」

「ん?いや、いい。」

無表情な子供は、2人が歩くアスファルトの道も、乗った電車も、混み合う人も

一切見回すことなくジェットの肩に捕まり、時折ギュッと服を掴んだ。それは子供を模した規則的な動きで、ジェットにはそれが伝わっていた

(こんなロボット丸出しの動きで本当に子供に思えてくるのかねぇ…)

いちまつの不安を胸に、3人はアパートに到着した





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