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A.I.―それは

「人工知能プログラム…?」

「平たく言えばそうじゃな…」

「じゃあコイツ、ロボットなのか!?」

ギンモア博士の邸宅の中庭が見える畳の部屋に博士とジェット、子供を胡座(あぐら)にのせたジョーがいた

ジェットはジョーの隣に座り座卓を挟んで、向かいに博士が座っていた

「A.I.のプログラムチップはワシの知り合いが造ったものだ、ボディは頼まれてワシが造った」

和室に似つかわしくない、コードプラグがいくつも伸びたノートパソコンをいじりながら博士は話した

「ふふ、すごいじゃろう、見た目はほぼ人間に近い!」

「…博士」

「見た目だけじゃないぞーこの人工皮膚!防水性だからお風呂に入っても安心なんじゃ!」

「博士」

「しかも!動力源のエネルギー摂取方法じゃが、太陽光発電じゃ味気ないからの、わざわざ体内で有機物を分解しそれで…」

「はーかーせ!!」

ジェットの三度目の呼びかけに博士はパッと002へ向いた

「ひとつ、いいすか…」

「ん?質問?」

「…なんで、なんで見た目がジョーと俺に似てんすか!どう見てもアレなんですけど!?」

動揺を隠せないジェットに博士も気まずそうに汗がたらりと落ちた

「あれは…009が、どうしてもとな…はは」

博士の困った微笑みに、ジェットのもやもやの矛先はジョーへ向いた

「おい!」

「可愛いでしょーいいとこ取りvV」

「〜〜〜ったく」

にこやかなジョーにジェットは怒る気が失せた


「さて、ここからが本題なんじゃが…単刀直入に言うと―」

博士はパソコンをたたんで2人を見た

「2人にその子を育ててほしい」

「え!?…ジョーと!?」

ジェットは一瞬飲み込めず、驚いた

「それが起動条件2、いや基礎に近い。『2人以上の保護者の下で生活すること』それこそ、このA.I.の存在理由なんじゃ」

「〜〜」

複雑な顔のジェットの肩をジョーがポンと叩いた

「さ、この子に挨拶」

「…なんで」

「認証してもらうために、ね」

ジェットはしぶしぶ子供に話しかけた

「…一緒に暮らすジェットだよろしく」

ジェットが挨拶すると子供はまじまじと顔を見て

また電子音を発した

『ピーッ保護者二人目を確認、起動条件2クリアしました』


発し終えると子供はまた無表情に戻った





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