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「……イヤなところ…見せたな…」
「いいよ、別に」
しょげた顔の004に002は楽しくない笑顔で答えた
「……本当に…すまなかった、あんなことはもう二度と―」
「なぁアンタ、」
002は004の言葉を遮るように前置きして
「?」
「俺が、好きか?」
ただそれだけを問いかけた
「…え」
それはあまりにも突拍子もない質問で004は戸惑う
「俺が、好きか?」
002は言葉を区切ってはっきりとした声で繰り返した
004は驚きながらも確かに頷いた
002の表情が少し和らいだ
「なら、いいよ…好きなら、いい。」
「……ッ」
002は優しく笑った。004は無言で002を抱きしめた
「…済まない」
それだけポツリと呟いた
(死人にはやっぱ…勝てねぇ…な)
002は諦めるようにフッと息を吐いて
でも表情は前向きで明るかった。
***
過去を持たない人間なんていない
みんなそれを背負って生きてる
過去と未来の狭間で、今とゆうこの瞬間を...
だからこそ人は強くて、弱くて、愛しくて
求めずにはいられないんだ…
「…………ところでさぁ」
「……ん」
「さっきは俺をどうしたかったん?」
「…え………」
「まさかセッ―」
「ゴホッゴホンエヘンッ!!」
「―して忘れようとしてたとか?」
「…………」
「うゎ浅はか〜」
「うううるさいっ」
「ふん、そんな初夜こっちから願い下げだっつーの」
「し初夜?!なななんっ」
「ぷっあはははっ赤くなってやんの」
「うるせぇっ!!」
「ま、気長に待ってやんよ、Darling」
今は、そう
一緒にいれば、それでいい
未来はまだ、白紙だから。
終わり
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