◆第二話 「My Name is...」


◇My Name is...◇


日本の海の見える小さな町で久しぶりの再会をした2人の男

ただ一つ違っていたのは、その2人にそっくりな姿をした子供の存在でした。


「ほら、ジェットによく似た赤毛…綺麗だねー」

「子供って…説明しろよジョー!」

玄関前の石畳で2人は口論していた

アメリカから急きょ呼ばれていたジェットは目の前の状況が把握できずジョーに話しかける

「見たままだよ、僕たちにそっくりでしょ」

「〜だから―」

「玄関先でなんだね、騒がしいぞ」

引き戸をカラカラと開けて出てきたのはアメリカからジェットを呼んだギルモア博士だった

「あ博士、ジェット来ました」

「あぁ早速A.I.を見せたのか」

博士はにこやかに子供に手招きして子供も無表情のまま素直に従い博士の元へ歩いていった

「エーアイ?」

ジェットが首を傾げていると

『ピーッ起動条件1をクリアしました』

「おお!?」

電子音が子供の口から発せられた

「ふむ残りの条件は2つか、よしよし」

博士は子供を撫でると手帳を取り出し何か書き留めた

子供はそのスキにきびすを返すとタッタと走りジョーの腕の中に収まった

「よしよし、いい子だね」

ジョーに優しく撫でられても子供は変わらず無表情のままだった

和やか(?)な雰囲気の中ただ1人ジェットだけが状況を飲み込めずにいた

「な、何だよ今の…」

ジョーはちょっと残念そうにため息をついて

「もうちょっと慌てふためくジェットを見ていたかったのにな…博士、バラさないで下さいよー」

手帳をしまう博士に話しかけた

「んー?…はっはっそれは済まなかったな」

2人の楽しげな会話にジェットはしびれを切らして

「だーから、なんなんだよぉー!!」

叫んだ。

近所にちょっと響いた。





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