・貴女side



「結衣ってほんと男子と仲いいよね〜」

『はぁ?』





ある日のお昼休みの話。
購買で昼食を食べ終わった私達は、5時間目の視聴覚室での授業に備え、早めに移動をしている時のこと。
仲の良い友人2人が、あー面白かった、と目に涙を浮かべながら話題を切り出す。

先程食堂から出た時に、出入り口のところに置いてある、メニュー表が乗っている棚を思いっきり蹴ってしまい、思いの外良い音がなったと同時に無事私の小指が負傷し、うずくまっていた時。
友人は心配してくれていた中、どこからか現れたクラスの男どもが、いくら目線が高いからと言って下もちゃんと見ろよー!と言っている事は一理ある気もしなくもないけど、大笑いしながらこれでもかと言うほど馬鹿にしてきた為、いや、身長関係ないだろ、誰でもよくやるだろ、と私もムキになって食い付いてしまい、一悶着していたことを思い出す。





『あっれのどこが仲いいのさ!馬鹿にされてるだけだから!ほんと腹たってんの!』

「いやいや、小湊くんとかさー、よく一緒にふざけてるじゃーん」

『それは席隣だしたまたま!』

「とか言ってぇ、ラブなんじゃないの?」

『はぁ!?』





ほんっと、なんで女子ってこんなにも何でもかんでも恋愛に結びつけたがる。
ほんとありえないし、そもそも





『あんなチビ、好きになるわけ…ンがっ!』

「!?」





突如膝裏に違和感、いや、違和感と言うには生優しい衝撃。
一瞬の出来事で、先程まで友人達より遥か高い位置にあった私の視線はかなり下にあり、今の私の状況を言うならば、そう。なぜか床に這いつくばっている状況だ。

横を歩いていた友人達は私が急に視界の中から消えたことに困惑している。





「それ、誰のこと?」

『げっ…』





コイツか…

コイツが私を膝カックンしたのか…

くそぅ、やられた。





『こみなと…』





後ろを見ながら視線を上げると、ニッコリ素敵な笑顔のピンクの髪をしたそいつ。

キカレテタ((震





『いや、その…すみません』

小「誰のこと?って聞いただけなんだけど。」





スッと腕を差し出して来る小湊。
え、立ち上がらせてくれるの。

意外と優しい…って転ばせたのお前だけどな??


差し出された小湊の手にそっと私の手を重ねると、グッと思い切り引かれる身体。
うわ…力強。その小さい身体のどこにそんな力が詰まってるの。





小「今小さい身体のどこにそんな力あるのとか思ったでしょ。」

『えっ、思ってないよ!!?』

小「バレバレ」

『いたっ』





図星をつかれたと思ったらおもいっきりチョップされた。
……いたい。

さっきも足を痛めたと言うのに、今度は頭の痛さでうずくまっていると「早くしないと授業遅れるよ」と小湊の声が上から聞こえる。

あ!と思い、友人の名前を呼ぼうとしたが





『あれ、いない』





目線の先には後ろ姿の小湊だけ。

くそう、置いてかれた!!





『ちょっと、置いてかないで!!』





1人でいくのも寂しいので小湊の背中を後を追いかけた。




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