28


・貴女side



貴「なんか、ごめんね。私が紛らわしいこと言っちゃったからだよね…」

『ううん!全然気にしないで!!』





結局、勧誘という名の脅しをかけられ、渋々夏合宿のお手伝いを引き受けた帰り道。

貴子ちゃんから申し訳なさそうに謝られてしまい、咄嗟に首を振る。

いやまあそうなんだけどね!?
しかし貴子ちゃんに罪悪感を感じて欲しくない一心で答える。


まあ暇なのは事実だしね。





『けど私運動経験もなければもちろんマネージャー経験もないし、人に仕えるのも人に尽くすのも嫌いだけど人選大丈夫?』

貴「やっぱ根に持ってるよね…」





つい本音を溢してしまい申し訳なくは思うけど…
だって本当のことだし。





『ま!任されたからには私も頑張るから、色々教えてね!』

貴「うん!もちろん」





やっぱり貴子ちゃんと一緒に過ごせるなら、悪くもなくはないかもしれない。
高校生活最後の夏ぐらいは、ちゃんと高校生っぽいこともしたいしね。





春「よろしくお願いします!」

『こちらこそー!野球部のマネージャーってみんなかわいーねー!あいつらもそりゃ張り切っちゃうよねー』

春「いや…そんなこと…」





笑顔で1人ひとり挨拶と自己紹介をしてくれる後輩ちゃんを見るていると、もうわかる。
絶対みんな良い子。

これぞマネージャーって感じだ。





『大丈夫?あいつらに酷い事とか言われてない?何かあったら私に言うんだよ?』

春「あいつらって誰ですか?」

『え?小湊亮介と伊佐敷純しかいなくない?』

幸「その2人が酷いこと言うイメージないですけど…」

唯「ね、少なくとも私たちには…」

『嘘でしょ!?そんなイメージしかなくない!?』

唯「いえ…ていうか何かあったとして結衣先輩に何かできるんですか?」

『えっ唯ちゃん見た目に反して辛辣…』





あいつら可愛い後輩の前では猫かぶってんな!?と、私とイメージがかけ離れているマネージャーズに困惑する。

確かに何にもできないけどさ!?
特に小湊には悔しいけど手も足も出ないけどさ!?


これから私大丈夫なのかなぁ、と溜息をこぼしながら
彼女たちと別れ、合宿までの短い期間を謳歌しようと心に決めた。




×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -