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・貴女side
ノック練習からTバッティングに切り替えようとベンチに戻り、バッティンググローブとバッドを持ち移動しようとした時、見かけない女子生徒が目に入った。
明らかに誰かを探している様子なため一応声をかけてみる。
すると案の定野球部の奴に用があり、その人の話を聞いていると恐らく3年。
少女マンガ脳の犬と性格悪いチビって、、、
まさか純さんと亮さんのことじゃねぇだろーな。
まさかあの人たちのことをこんな風に言えるなんて、若干尊敬も混ざった呆れた息を吐く。
『あー思い出した倉持くんだ』
「はい?」
『そーだそーだ倉持くん、知ってる』
「はぁ」
いきなり女の先輩に名前を呼ばれ、若干戸惑う。
『よく小湊達が話してる!ショートでスイッチヒッター倉持くん』
倉「そっスけど...」
なんだぁ?この人、亮さん達と仲良いのか?
あ、もしかして
倉「琴原さん、っスか、?」
『えぇ!?なんで知ってんの??』
倉「いや、先輩のこともよく亮さん達話してますよ」
同じ寮で暮らしていると嫌でも入ってくる先輩たちの会話。
割とよく聞く名前だし、あの人たちからしたら珍しい話題だから何となく覚えていた。
...聞いてた通りの感じの人だな...。
『あー!それ!春市くんも言ってた!』
倉「弟くんのことも知ってるんスか?」
『ちょっとね!もういい加減にしてよねあいつら!いいよ!その先は言わなくても分かってるんだから!!私のいない所で私の愚痴で盛り上がってるって聞いたんだから!!!』
何を思い出したのか、フツフツと怒りが込み上げてきたかのように声がデカくなる先輩。
いやまあこの人の言う通りなんだけど
倉「いやでも、内容は内容でも、先輩のこと話してる時の亮さんって」
「倉持」
倉「ひっ!」
確かに内容は良くなくても、亮さんが先輩のことを話す時内容とは違った違和感を覚える。
それを言おうとしたら俺を呼ぶ声。
振り返らなくても分かる。
倉「亮さん...」
そこには黒いオーラを纏って立っている亮さんの姿があった。
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