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・貴女side
「お、琴原ー!」
『?伊佐敷』
教室へと向かう廊下を1人で歩いていると、どこからか聞き覚えのある無駄にデカイ声が聞こえてくる。
そのデカイ声、校内では使わないでよ。グラウンドだけにしてくれよ。
伊「亮介見たか?」
『あー。学食に来たけど』
伊「?どうした?」
さっきまで会っていた対象の人物の名前を出され、ピクリと反応する。
見たも何も、ねぇ。
機嫌悪そうに答えた私に疑問を持ったのか伊佐敷は頭にハテナを浮かべた様子で私の機嫌を更に損ねないように伺ってくる。
『べっつにー。なんか機嫌悪そうだったから』
伊「お前じゃなくて?」
『元はと言えば小湊!!』
確かに学食に行く前に前に小湊の弟、春市くんにダル絡みしたのはホントだよ。
だけど別にそれで小湊が機嫌悪くなること無くない?
その後は学食行って友人とクラスメイトとご飯を食べていたら小湊が来て。
その時からもう奴は機嫌が悪い様子で。
いや仲良いとは言わないけどさ、普段結構言い争いみたいなのはしてたけどそこまでネチネチした感じじゃ無かったじゃん。私たちだって。
あんな風な態度取られたのは初めてって言うかさ。
なんて思ってたことを纏めて話すには私の語彙力は足りず。
そのまま伊佐敷に話した。
伊「あー」
『なに?』
伊「いや、亮介もそろそろ我慢出来なくなったって感じじゃね?」
『私のウザさに?』
伊「まあ、ないとは言えねぇけど」
『否定しろよ!』
私の説明でも通じたのか、何やら伊佐敷には分かった様子。
さすが同じ部活で他より過ごしている時間が長い野球部。
だけど詳しくは教えてくれなくて。
モヤモヤしたままだけど伊佐敷も話をなんとなく逸らすため、最近の野球部事情なんかを聞きながら2人で教室へと戻った。
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