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・貴女side



「お、琴原。オレらも座らせて」

『え、無理だけど』





半分ほど定食を食べ進めた頃、辺りを見渡すと昼休みは残り時間半分だというのに、まだ売店には長蛇の列が出来ていた。
自分は座れたけれど、こうも混んでるとやっぱり座る席がない人も多いわけで。
後ろから声をかけられて振り返るとクラスメイトの男子2人がトレーを片手に立っていた。





「2人分空いてるだろ」

『後からくるの!多分!誰か!』

「はい自己中ー、座りマース。」

『おい!!!!』





4人席に2人で座ってた私らも私らだけど、それは他に空いてなかったから仕方なかったわけでさ、そんな無理やり座るか?

私と友人が向かい合って座っていた4人掛けの席に男子2人も混ざってきた。
なんで男子と一緒に食べなくてはいけないんだ…





『あんたらねー、ちょっとは遠慮ってものを…って私のエビフライ!!!』





友人は一緒に食べよ、と笑顔で彼らを迎え入れたから席をとってもらっていた私としては何も言えず、渋々端による。

私だって許したわけじゃないんだからな、友人に免じてなんだからな、だから私の昼飯を取るな!!





「つーかさ、お前ら男と食ってるとかまじで目立ってるぞ」

『えぇ…それ言う?私達声掛けてすら無いよね?勝手に入ってきたよね?え?誰の口からそんなこと聞こえてくるの?』

「今じゃなくて、よく小湊とか伊佐敷とかといんじゃん」

『あー、それね。なんでだろうね』





よくよく思い返せば、そんな状況が浮かび上がってくる。

友人となんでだろうと話すけど特にこれといって理由はない。
まあ席近いし、話してたらお昼の時間になってそのまま流れで、なのかなぁ。
全然意識してなかった。

なんて考えながら男子の問いかけを無視したまま黙々と箸を動かす。





「好きなんだろ」

『はー?だる』





「お前〇〇好きなんだろー!」「まじかよー!おーい○○こいつお前のこと好きだって!」「俺は無理なんだけどー!笑笑!」みたいな中学生のノリ???
え、めんどくさっ





『あっもしかしてあんた私のこと好きな感じ?悔しい感じ?嫉妬した?』

「は!?んなわけネェだろ!」

『えっ動揺しすぎ、もしかして…』

「自意識過剰だろ!俺じゃなくて小湊がっ」


「俺が何?」





こいつはいつも私のこと背高いデカ女ってバカにしてくる奴らの1人なわけで。
ムカつくから何となく仕返しにからかったらちょっとホントに私のこと好きなんじゃないかって思うぐらい動揺してる上に小湊に責任転嫁してるんだけど笑うしかない。
その上本人登場、笑うしかない。




『小湊…いやこいつ私のとこ好きらしい』

小「へぇ」

「えっ、いや、違っ!」




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