第4話
『百って告白とかされないの?』
百「えぇ?なに急に」
学校も終わり、映画まで時間もある為、2人してファストフード店に入る。
先に座ってて、と百に言われ、大人しく座って待っていると、両手にトレーを抱えた百が戻ってきた為お礼を伝える。
そして百が正面に座ると、早速思っていたことを口に出すも、百は眉を下げる。
『私、友達に凄い言われるよ。百はカッコイイとか、優しいとか、彼女はどうだとか』
百「へぇ...」
『でも彼女出来ないじゃん。だから百は彼氏って言うより、アイドル的な感じで人気なのかなって』
百「いやいやいや、それこそないでしょ!」
オレがアイドルとか!と、大笑いする百をじろりと睨む。
百に本物の彼女さえ出来れば、しつこく私が彼女なの?なんて、聞かれることもないだろうに。
「オレは別に、今は彼女いらないし」
『なんでよ!だってクラスの男子とか皆彼女欲しいって言ってるじゃん!彼女がいればサッカーだってより頑張れるーとか、彼女と放課後デート憧れるーとか!』
「えー、彼女いなくても、全部結衣がいれば出来ることじゃん」
『それじゃあ意味ないんだって!』
何にも分かってない!と怒りながら言うも、百はえぇ?と気にしていないように笑う。
「でも俺らがこうやって一緒に遊べるのも、お互いに恋人がいないからじゃない?」
『...そういうもんなの?』
「そうだよ、結衣だって、彼氏が他の女の子と遊んでたら嫌じゃない?」
『私は彼氏なんて出来ないもん』
「作ろうと思えばすぐ出来るでしょ」
『別にいらないもん』
「ほら、オレだって同じ」
オレもいらないの、そう笑う百にこれ以上言い返すことも出来ず。
少しずつ冷めてきてしまっているポテトに手を伸ばした。
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