・貴女side



『あのー。天方先生はいますか…?』





あの新入生歓迎会から数日経ち、いよいよ水泳部に入部しようと入部届を貰いに顧問であり古文の先生の天方先生の元へと訪れた。

ここに至るまで何度も何度もさっちゃんに止められた。

「変な人達の集まりかも知れないよ!」
「3年間棒に振る事になるよ!!」
「彼氏できないよ!!!」

と素晴らしい脅しを掛けられたりもしたけれど、もう自分で決めたことだ。
こういうのは直感が大切!!!…だと思う。





「あら?貴女は1年生の如月さん?」

『えっと…水泳部ってマネージャー募集していますか…?』

「えーー!!もしかして入部希望!?」

『!?』

「渚くん、声大きいですよ!」





職員室を覗いてみると、天方先生が私に気付き声を掛けてくれる。
けど、よくよく考えたら部活紹介で筋肉紹介していたし、素敵な筋肉待ってますとか言ってたし、選手しか募集してないこともあるよね…。
急に入部できるか不安に思い、入部届をもらう前にまずは確認を兼ねて質問をしてみると、すぐ近くから大きい声で叫ばれて驚いた。





『ヒラメ筋と上腕なんとか筋の人…』

「へ?」

『あっごめんなさい!はい、あの…マネージャー希望なんですけど…。ダメ、ですかね?』

「歓迎歓迎!大歓迎!やったね!ハルちゃん!マコちゃん!レイちゃん!」

「はい!よろしくお願いします」

「うん、ようこそ水泳部へ!」

「…」




人懐っこい笑顔と明るい性格で、良い意味で先輩感のないヒラメ筋の人と。
すごく大人びた表情で、年下の私にも丁寧に声を掛けてくれたレイちゃんと呼ばれた人と。
優しい顔で笑ってくれて、面倒見の良さそうなマコちゃんと呼ばれた人と。
真顔で無愛想な感じだけれど、少し目を細めて微笑み掛けてくれたハルちゃんと呼ばれた人。

さっちゃん、やっぱり自分の感覚ではとっても良い部活で、きっと楽しくなりそうだよ。

歓迎会の時は気付かなかったけど…
何より全員、顔が良い…。




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