第5話


・貴女side




午前は必修科目・英語等の普通の授業。
昼は大食堂で一流の料理を安価で頂ける。
そして午後の授業にいよいよヒーロー基礎学。





「わーたーしーがー!!普通にドアから来た!!!」





私が雄英高校に入学するきっかけとなった理由の1つ。
ナンバーワンヒーローオールマイト。

クラスの皆にとっても憧れの人であるのには変わりなく、教室内がザワザワと賑わす。





「早速だが今日はコレ!!戦闘訓練!!!
戦闘服に着替えたら順次グラウンド・βに集まるんだ!!」





入学前に送った個性届と要望に沿って誂えてもらったコスチュームを手渡される。
皆、戦闘訓練とコスチュームという単語に一気にテンションが上がった様子で教室を飛び出す。

役所に私の素性が分かるものなんて提出する訳もなく、入学試験の時に提出した願書も、戸籍も、そして個性届も、全部偽造したものだ。

個性そのものは嘘なんて書いてないし、戦闘服はしっかりと考えて要望を出したけど。


...いよいよ始まるのか。





「さあ、始めようか有精卵共!戦闘訓練のお時間だ!」





どうやら今日の戦闘訓練は、ヴィラン組とヒーロー組に分かれて2:2の屋内戦を行うというもの。
コンビ及び対戦相手はくじ引きで行い





「よろしくお願いしますわ磁場さん」

『こ、こちらこそ…』





私のペアは八百万さんとなった。
苦手なんだよなぁ。
頭が良くて、常に戦略を考えながら戦うタイプであろう八百万さんは、正直馬が合うタイプではない。

そもそも誰かと共闘なんてした事ないけど...





「どうかしましたの?」

『ううん!なんでもない!
なんかごめんね?私なんかと一緒で』

「どうしてです?」

『え?あ、ほら、私なんて一般入試だし、推薦入学の八百万さんの足手まといになっちゃうんじゃないかなーって...ハハ』

「そんなことありませんわ!むしろあの一般試験で合格するだけの実力をお持ちってことでしょう?
これからともにヒーローを目指す仲間じゃありませんか!一緒に協力して頑張りましょう!』





足手まといになるんじゃないかっていうのは本心だった。

でもそれは実力とかの話じゃなくてさ。
ヒーローを目指す仲間、ねぇ...





『うん、そうだね。ありがとう』





この卑屈な性格は、環境的に仕方ないんだろうか。
ここにいると、そんな自分がさらに嫌になって、嫌気が差す。




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