第1話
・貴女side
「ねぇねぇ!名前なんて言うん?」
『え、私?』
「うん!私は麗日お茶子!宜しく!」
入学初日。
明るく元気に笑う彼女の表情は曇り一つなくて。
裏がないんだろうな、こういう子は。
根っからのヒーロー志望で。
ヒーローに憧れて、ヒーローになりたくて、ヒーロー養成校に通って。
こんな名門なのに1つ穴があるとすれば
どうやって、この生徒は本当にヒーローになる気があるかを判断するかだ。
そんな診断テストなんてしたことない。
実力さえあればヒーロー目指せるってことでしょ?
ヒーローになんかなる気が無くても、学べちゃうんでしょ?
彼女の様子を見て、私も笑顔を作る。
『私磁場結衣、よろしく!』
だってほら、ヴィランの子供が雄英高校に入れちゃうんだから。
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