第16球


・貴方side



「あれ、如月?風呂上がり?」

『日野ちゃん、宮田!』





私は皆より30分先に練習を上がらせてもらい、先にお風呂も済ましてきた。
これから部員の洗濯物もやらないとだしね。

そういうと隣に立っていた宮田に「ずるい…」なんて言われた。
…?お風呂好きなの?





『他の奴らは?』

「大堀はパンツでも探してるんじゃない?」

『そ、そうっすか…』





日野ちゃんなんか怒ってる!?私なんかした!?

すたすたと歩いて行ってしまう日野ちゃんと、その後ろを着いていく宮田を疑問に思いながら見つめていると先輩達がやってくる。





「如月、1年たち風呂行ったか?」

『あ、今2人ほど…』

「ならいいんだけど…そうだこれ、悪いけど洗濯物頼む」

『はーい、ちょうど取りに行こうと思ってたんで、ありがとうごさいます』





石橋キャプテンから洗濯物の入った籠を受け取り、洗濯室へ向かおうと足を進めると肩にかかっていたタオルがハラリと落ちる。

あ、と思った途端頭からタオルのような布がかけられる。





『え?』

「ちゃんと拭かないと風邪ひくぞ」





物の隙間から顔を出すと目の前に瀬川先輩の顔が映る。

瀬川先輩がタオルを取り、私の髪を拭いてくれているようだった。





『あ、ありがとうございます』

「自分の髪乾かしてからでいいからな」

『はぁい』





再びタオルを私の肩にかけると先輩達は来た道を戻ったため、私も足を進め着いた先は洗濯室。
…なんだけど…

大堀がヤンキーに絡まれてる!!!

ここで助けに入れるほど私はかっこいい女子ではないので、見て見ぬふりをしながら瀬川先輩の言うように髪の毛を乾かしてこようと自室へと戻った。







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