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・御幸side



「みゆきかずやあああ!」

「あー、うるせーのが来た」





ブルペンの準備をしていると、早速騒がしい声が響く。
球を取れとギャーギャー騒ぐ沢村を呆れながら見ていると、そう言えばとある人物の子が思い浮かぶ。





「沢村」

「なんスか?」

「お前同じクラスに琴原の双子いんの知ってる?
なんつったっけなー、結衣…って名前だったか?」

「あー結衣ッスか?いるっすよ!」

「もう名前で呼んでんのか」

「名字じゃ紛らわしいじゃないッスか!」





そう言えば琴原のことも名前で呼んでたな、と今まで特に気にもしていなかったが、そう言う理由があったのか1人で納得。
沢村は、入部早々早速やらかし、未だボールを握ることさえ許されてないのにオレの後ろをちょろちょろと着いてくる。





「つーか、それがどうしたんスか?」

「んーや、琴原が双子だったの初めて知ったから、どんなやつか気になっただけ」

「あー結衣はうるせー奴っスよー。
バカだし、すぐ手出るし、うるせーし。あ、これは言ったか」





指を折りながら彼女の特徴を出す沢村を呆れながら見つめる。
この沢村にうるさいだのバカだの言われる奴は相当だな、と少し気になると同時に、琴原(姉)とはまぁ正反対の性格。
つーかその特徴はもはや沢村だ。

なんて考えながら、どうりで体育で沢村と騒ぎながら競ってたわけか、と納得しながら、防球ネットの準備を始めた。












「くっそおおおお、結衣のこと教えたら球受けてくれんじゃねぇのかよ!!」





その頃沢村は(してもいない)約束を破られたと嘆きながら
ひたすらタイヤを引きずって走っていた。




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