小説 1

一度気になりだしたら止まらない2

今日は快晴、洗濯日和。

鼻歌まじりで庭で大量の洗濯物を干す山崎の姿は誰からみても優秀な監察だとは思えない。

「永倉のせいで俺まで気になってきた」

縁側でそんな山崎を眺めていた原田が昨日の事を思い出す。

「確かにずっとバンダナしてるなぁ。でもそんな事気にしてたらさ…」

ひょいと空になったカゴを抱えて原田に近寄る。

「何で局長はゴリラなのか、副長は世界中の人がマヨネーズ好きだと信じて疑わないのはなぜなのか、沖田さんはいつもバズーカをどこから出してくるのか、永倉さんは本当に165センチもあるのか、斉藤さんが目を開くことはあるのか…とかもう他にも色々あるし」

この監察は何気に毒舌だよな、と原田は思う。

「気にしない、気にしない。さて、ミントンミントン」

ヘラッと笑い足早に去って行った。
青空の中大好きなミントンの素振りをするつもりだろうが、そのうち副長の怒鳴り声とともに中断される様がリアルに想像できる。

「まぁ…そうだよなぁ」
「何が?」

ふと目の前に亜麻色の髪が映る。

「あ、沖田」
「サボりですかィ?」
「お前じゃあるまいし、まだ見回りの時間じゃないだけだ」

ふーん、と適当に流した沖田は原田の横に座る。
ついでに武州から一緒にいるこの子供にも聞いてみようか。

「なぁ、凹助がバンダナとったとこ見た事ある?」
「ねぇなァ…あ!」

何か閃いたらしい沖田は大きな目をキラキラさせながら話始めた。

「あれ外したらきっと角生えてるんでィ」
「角?!」

実は天人だったとか?
目を丸くしていると沖田は自分の亜麻色頭の上に中指を突き上げ

「凹助だから凸」
「あぁ!なるほどな!ガハハハ!!」

思いがけない返答に大笑いをする原田。
沖田らしい発想だ。

「お?楽しそうだな。何の話だ?」

そこへ近藤がやってきた。

「近藤さん」
「局長、凹助のバンダナ取ったらどんな感じになると思いやす?」
「藤堂の?」

そうだなぁ、と顎の下に手をやり考える。
数秒後ポンと手の平を打つと

「四次元ポケットになってるんだ」
「はぁ」
「ポケット?」

近藤の言葉に目を丸くする2人。

「あのバンダナ、取ったらドザエもんのポケットに似てないか?」
「まぁ…結び目を気にしなければ」
「きっとそうだ!うん!!どこでもドアでお妙さんの所に行きたいなぁ!」

そう一人で納得するとお妙さぁぁん!!!と走り去ってしまった。

きっとあのまま志村家に行くのだろう。今日は誰が引き取りに行かなくてはならないのだろうか。意気揚々と屯所の門をくぐる我らの上司を見ながらそう思わずにいられなかった。






処女作なので色々ゆるしてやって下さいorz



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