小説 2

4がつ1にち(はれ)1

「赤ちゃんできたアル」

突如、桃色頭の少女から放たれた台詞に銀時は飲んでいたいちご牛乳を盛大に噴き出した。

「バ…ッ!!何言って…便秘か」
「サドの子」
「!!!!」

銀色の頭上に稲妻が落ち、死んだ魚のような目が見開く。そして今にも光線がほとばしりそうな眼力で真剣を掴むと玄関の方を見据えた。

「…銀ちゃん、何処行くネ?」
「いや…なぁに…父親としての役目を果たしにな…」

冷たい風が万事屋内に吹き荒れ、ビニール袋が宙を舞う。玄関に向かう銀時の周りだけ何故か劇画化されていた。

(面白いから放っておこう)

神楽は酢昆布を取り出し、日めくりカレンダーを見つめた。




――4月1日



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