コトノハ。 | ナノ


▼ショウドウブツ。


デントside。

大丈夫かな、あの子というのが第一印象。
手を差し伸べに行こうとしたらコーンが先に行ったから、さすがコーンだなあとどこかで思った。

ポッドは笑いを堪えるのに必死で、ほら、もってる水入れの中の水がゆらゆらと揺れているのがその証拠。

「大丈夫?ポッド」

軽く笑いつつ声をかけるとポッドがああ、と言う。
そのわりには更に水が揺れてるけど。

「水、こぼさないようにね。」

「心配すんなって!」

ポッドが明るく言った。後でコーン怖いだろうなあ。
ぼくに被害は無いけど、ポッドがされるであろう事を想像して身震いした。



準備が整った時を見計らってぼくは紅茶を持って彼女のところへ行く。
ナマエさん、だっけな。

「ナマエさん。」

「は、はいっ!」

優しく声をかけたつもりが、やっぱり驚かせてしまった。

「紅茶、お持ちしました。」

「人違い、じゃ…?」

きょとん、とした顔をしたナマエさんがなんだか小動物みたいに見えてくる。

「このジムでは、挑戦者さん限定でサービスの紅茶をお持ちしているんですよ。」

そう言うと、納得したナマエさんがありがとうございますと言って紅茶を飲み干した。

「……それでは準備が整いましたので、一番奥でお待ちしていますね。」

ぼくがへらり、と笑う。

「はい!…がんばります。」

ナマエさんも少し笑った気がした。

「楽しみにしています。」

さて幕開け、だ。