▼ココロオドル。
ポッドside。
まったくコーンのやつ、わざわざ耳引っ張んなくてもいいだろ!
心の中では悪態を吐いているが、表面はいつもの笑顔でアイツの席へと行く。
「よお!コーンから聞いたぜ!挑戦者なんだってな!」
ぽん、と肩を叩いてテーブルに水を置く。
突然話しかけられてびっくりしたのか、肩が跳ね上がった。
「あ、え、えっとはい…そうです。」
緊張しているらしく、口調もどこかおぼつかない。
「名前、なんていうんだ?」
「……ナマエ、です。」
「ナマエか!中々いい響きじゃん。」
そう言うとナマエは俯いてしまった。
「じゃあ、これから敬語無しな!」
「っえ、…え?」
またびっくりしたのか顔をぱっとあげて、目を丸くしている。よくびっくりするヤツだ。
「ナマエ最初のパートナー、何タイプだ?」
これを聞くのを危うく忘れるとこだった。
これが本題なのに忘れてきたと言えば、またコーンに耳を引っ張られる予想はついたから
思い出してよかった。ラッキー。
「えっと…むしとでんき。」
「へー!むしタイプ使うヤツ、ってか女、珍しいじゃん。じゃあ、早く一番奥まで来いよ!」
そう言い残してオレは、早足で、コーンの所へ向かった。
「コーン、ナマエむしとでんきだった。」
「ナマエ?…ああ、彼女か。ということはポッドですね。」
お相手したかったのに残念、とコーンは呟いた。
「コーンがそんなに戦いたがるの珍しいな、ナマエ強そうなのか?」
「恐らく、一筋縄じゃいかないでしょうね。」
「そりゃあ楽しみだ!」
へえ、アイツ正直あんまり強くなさそうなのに。意外だ。
「そういえば準備が整いましたが…デントがもう先に行った様ですね。」
ちくしょー先を越された。
最初のウェイターとバトルをする音が聞こえる。
多分もう始まったんだろうな。
「スタンバイ、してて下さいね。」
「おう!」
オレは持ち場につきながら思った。
ナマエと戦うの、めちゃくちゃ楽しみかも…。