6月2日深夜

疲れた体を引きずってようやく自室にたどり着き、着替えもそこそこにベッドに飛び込む。

「つかれた…」

この1週間、バラエティのロケで全国を飛び回っていた。しかもずっと野外ロケだったのでふかふかのベッドも1週間ぶり。お風呂もずっとシャワーだけで済ませていたので湯船につかりたいけど、今は何よりぐっすり眠りたかった。次の日も仕事なら最低限肌の手入れや台本に目を通すなど、やることは山のようにある。でも今日はその心配はない。

「明日から、1週間はオフだから…寝てもいいよね…」

そう、今回のロケはとてつもなくハードなものだからと、事務所が1週間まるまるオフにしてくれたのだ。こんな気遣いをしてくれるのはきっと日向先生だ。社長だったらあり得ない。きっと明日も仕事をいれてくるに決まってる。若干社長に失礼なことを思いつつ、ベッドのわきに置いてある卓上カレンダーをぼんやりと眺める。1週間オフなんて初めてでどう過ごそうかまるで思い浮かばない。買い物にも行きたいけど、何日かは家でのんびり過ごそうかな。ああ、春歌と新曲について話すのもいいかも。
そんなことを考えつつカレンダーを眺めていると、ふとオフの最終日が赤い丸で囲まれていることに気がついた。

「あれ、この日何か予定入ってたっけ…?」

仕事の予定は全て手帳に書き込んでいる。カレンダーに書いてあるということは仕事ではない。きっとこのカレンダーを買ったときに自分で書き込んだプライベートなものだろう。でも、なんだっけ?何かとても大切な日だったような…。

「あ、あ、ああああああ!!!」

私は自分でも信じられない速度で身体を起こし、卓上カレンダーを掴んだ。

「どうしよう…!うわあああどうしよう!」

カレンダーを掴む手がわなわなと震える。疲れなんて頭から吹っ飛んだ。
赤い丸で囲まれていたのは6月9日。

「翔の誕生日、忘れてた…!」

数ヶ月前にようやく恋人にステップアップしたパートナーの誕生日だった。










誕生日に何わたす?
(7 days before)










「他のみんなはどうするんだろ…」

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